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別姓行政訴訟の控訴棄却――別姓強制が違憲か否か判断回避

 東京都・荒川区に住む加山恵美さん渡辺二夫さん夫妻が、別姓での婚姻届を不受理にした区の処分について取り消しを求めた訴訟の控訴審の判決が一一月二四日にあり、東京高裁(青山馨裁判長)は控訴を棄却した。

 これは、夫婦同姓を強制する民法七五〇条は違憲であるとして他の三人の原告と共に国に損害賠償を求める「別姓国賠訴訟」とあわせて今年二月一四日に提訴した行政訴訟。一審では口頭弁論が行なわれず、本件は家事審判手続きで判断するべきものであり行政訴訟で争うことではないとして一〇日後の二四日に棄却された。つまり門前払いされた形だ。それを高裁がどう扱うかが注目されていた。

 原告の加山さんが判決後、「私たちの主張が通らず残念」としながらも「ただ一審のほうは門前払いでしたが、高裁は口頭弁論が行なわれて審理になったのはよかったと思います」と感想を述べたが、高裁は二度口頭弁論を行ない、青柳裁判長は法制度に関わる問題を高裁で判断することの難しさを正直に口にしてもいた。そして結論は、一審と同じく「婚姻届の不受理処分の適否は家事審判手続きで判断されるべき」とするものだった。

 小島延夫弁護士が「ここが本音の部分」と指摘するのは「関係法令の全体的な是正を立法上によることなく法令の解釈・運用によって行うことはおよそ不可能」という部分。「七五〇条を違憲と言ってしまうと次に全体の制度としてどうするかという問題に発展する。そういう法解釈が許されるかどうかというところで裁判所が躊躇した。国賠訴訟は損害賠償請求だからいいとして確認訴訟なり違憲訴訟なり別姓での婚姻を認めろという裁判をやると、裁判所は制度の問題だから判断できないという。要は、大きな制度の問題はうちでなく最高裁でやってくれということでしょう」と解説し、「勇気がないと思う。もう少し判断を示してもらいたい。そのために裁判官の独立が規定されているんじゃないのかと言いたい」と批判した。

 榊原富士子弁護団長は「訴訟の門戸が開かれていないのはおかしいので最高裁で問いたい」と述べ、加山さんも「最高裁で判断を仰ぎたい」と上告する方針だ。国賠訴訟の次回口頭弁論は一二月一四日一〇時から東京地裁で行なわれる。

(宮本有紀・編集部、12月2日号)

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