- 2017年12月28日 14:40
ビットコインの時価総額=上級国民の不正蓄財の総計
2/2ただ、本家が誰の目から見てもおかしなことをやっている場合は別だ。改良を提案して、その改良点を評価する人が多ければ、フォークした新バージョンに人が集まる。ここで本家が反省して、その改良点を真似すると、また本家に人が戻ってしまう。フォークしてそこに継続的に人を集めるのは実際は大変なのだが、それは、出入り自由なら本家が反省するからだ。
実際には、本家はフォークされる前の提案の段階で先に反省する。つまり建設的な改良案は全部取りこむし、そういう姿勢を明確に打ち出している。潜在的なフォークに先回りして対応することを本家が強いられているということが、フォークによるガバナンスと私が呼んでいるものだ。
メンバーシップで管理されている本家は、あまり反省しない。痛みをともなう改良などはたいてい握りつぶしてしまう。 だから、オープンソースの本家は、大半の利用者から見て納得できるようなまともな運営が行なわれているのだが、それは、本家の中の人が特別崇高な意思を持っているからではなく、「フォークされる可能性」によるガバナンスが機能しているからである。ビットコインもそれと似た、潜在的な監視を利用者やマイナーから受けていると思う。ブロックチェーンのフォークにはマイナーだけでなく、開発者や利用者の自由参加も必要だが、それも最終的にはマイナーが自由参加できることで担保されている。手数料を取りすぎたり、特定の人を優遇したりするようなことがあれば、フォークされてしまう。中の人はあやしげな人もいそうだし、多少はなんかやってるかもしれないが、やり過ぎるとフォークされてつぶされることはわかっている。
「あってはならないこと」が見えているのに、それを無視したら、間違いなくフォークされるだろう。
フォークが実際に起きる時は、関係者一同集まっても意見が割れる時で、それは不確実性があって実際に両方試してみることが必要な場合に限られる。フォークはめったに起こらないが、実際に起こらなくても、「あってはならないこと」を起こさないための抑止力としては、日常的に機能している。
フォークの抑止力によるガバナンスは、メンバーシップによるガバナンスと対照的で、小さい所ではあまり機能しない。ビットコインの中の人は、銀行員なんかよりはずっと細かいムダやズルをしていると思う。しかし、「あってはならないこと」を起こさないという点では、ずっと信頼できる。
結局、ビットコインの発明とは、電気代をうんとかけると、悪い奴、利己的な奴を集めるだけで、「フォーク可能性」によるガバナンスのある台帳管理が可能になるということだ。
これがよいものかどうかは、これが置き換えようとしている「メンバーシップによって良い人を強制することによる管理」が起こす「あってはならないこと」の総コストとの比較になる。
これまで、メンバーシップによる管理以外ではまともに回らないものがたくさんあった。だから、それにはどんな弊害があっても必要悪として見過ごされてきた。それを公正に効率的にするための不断の努力は行なわれているが、一定の弊害はあってもしかたないものとされた。それが、これから見直されるのだ。
弊害が大きいというコンセンサスが得られたら、メンバーシップによる管理はやめて、ブロックチェーンに移行するという選択肢がある。もちろん、それが社会に与える影響もとんでもなく大きいものになるが、弊害のレベルによっては、移行すべきだと考える人が多数になるかもしれない。
乱暴にわかりやすく言ってしまえば、ビットコインにどれくらい金が集まるかは、上級国民が今一般国民からだましとっているお金次第だということ。
ビットコインにはPERのような価格のための指標がないと言われるが、上級国民の不正蓄財の額が PER と似たような基準になると私は思う。
不正蓄財が電気代と同じような額なら、ビットコインに移行するメリットはないので、ビットコインには実需はない。不正蓄財がたくさんあれば、電気代をかけても移行することで、経済の循環がよくなるので、ビットコインには実需がある。そして、不正蓄財の額が大きいほどその実需が大きくなる。
不正蓄財と電気代の差額の何パーセントかが、ビットコインの時価総額の理論値になるだろう。
ただし、既存の不正蓄財を掃き出す圧力になるということは、ビットコインへの風当たりも大変なものになるわけで、最終的には理論値に収束するとしても、そこへの道筋はまっすぐなものにはならないだろう。
それと、余談として、ビットコインの匿名性について。
ビットコインは匿名性が高くマネーロンダリングの温床になっていると言われている。これはその通りだとは思うが、この匿名性も従来の匿名性とは意味が違う。
ビットコインでは、全員の銀行通帳が全部アップロードされていて閲覧可能になっている。ただし、口座番号があるだけで、氏名や住所の欄は黒塗りになっている。この黒塗りが絶対に剥がせないという意味では匿名性は高いのだが、取引の相手先、日時、金額は、全部計算機処理をしやすい形でアップロードされている。
もし「このビットコインアドレスはAさんのアドレスだ」という情報が流出したら、Aさんの銀行通帳が公開されたのと同じわけで、本当に匿名性が高いと考えてよいのかについては、私は疑問である。
ビットコインアドレスは誰でも無数に作れるので、取引のたびに生成すればよいと言われているが、当人のウォレットには保存しておかないといけないので、強制捜査などでそれを入手できた場合、得られる情報は紙の通帳より多いのではないだろうか。ウィルスやハッキングによる流出でも同じだ。
秘密鍵はきちんとやれば隠しておけるが、ビットコインアドレスは、金を受け取るためには相手に教える必要があって、 普通の社会生活をしていたら、これを隠し続けることは難しいような気がする。しかし、これを知られるのは、通帳を半分公開するのと同じで、匿名性が高いというより、とても重要だが非常に流出しやすい個人情報と考えるべきではないだろうか。
アドレスやコインをたくさん使って、複雑化することもできるが、ディープラーニングとか使えば、一発で犯罪者特有のパターンとかを抽出できそうな気がする。



