記事

ナイジェリア国際空港の運び屋たち

わが国の空港では、いま西アフリカからの覚せい剤密輸摘発が増え続けています。彼らの出発地のひとつが、ナイジェリアの国際空港ですが、その出発前の検査でも、多数の密輸犯が摘発されています。ナイジェリアのニュースから紹介します。

<ナイジェリアのニュースから>*****
●飲み込んだ薬物を空港で吐き、密輸犯逮捕
ナイジェリア最大都市ラゴスのムルタラ・モハマド空港で、12月2日、マレーシア行きのエミレーツ航空機に搭乗しようとしていた、2人の男性が逮捕された。麻薬取締局が申請書類を点検している途中で、胃の痛みに耐えかねて、飲み込んでいた薬物を吐き出したのだ。1人は47個(約800グラム)、もう1人は88個(約1125グラム)のメタンフェタミン(覚せい剤)を飲み込んでいた。

ラゴス市内でジェネレータ部品を販売しているという男性(21歳)は、事業がうまくいかず、援助してくれる人もないため、資金稼ぎをしようと薬物の運び屋を買って出たという。
受け取る予定の報酬は4000米ドル(約31万円)。

31歳の男性は、マレーシアで英語の勉強をしている学生だと自称している。彼は、学費を援助してくれた叔父がなくなり、経済的に苦しかったので密輸に加担したという。

ナイジェリア薬物取締局長官は、マレーシアでは麻薬密輸に対しては死刑がかされることがあるので、2人の出発を食い止めることができてよかったと語る。薬物密輸は自殺行為だが、ますます増加している。われわれは麻薬密輸の防止に、いっそうの努力を傾けるつもりだと、長官は言う。

(1)All Africa.com>NDLEA Arrests Suspects With 133 Wraps of Drugs(3 December 2011)
http://allafrica.com/stories/201112050985.html
(2)All Africa.com>Suspects Vomit Wraps of Drugs At MMIA(3 December 2011)
http://allafrica.com/stories/201112050870.html
*****

●ムルタラ・モハマド空港では2・2日に1人の薬物密輸犯を検挙

薬物密輸のハブ基地として、国際社会で不名誉な評判が定着してしまったナイジェリアでは、薬物取締局(NDLEA)を中心に、国の名誉挽回をかけて、薬物の密輸出を水際で食い止める作戦が進行中です。NDLEAのホームページに、国際空港での密輸阻止活動の報告が掲載されているので、これを紹介しましょう。

NDLEAが、2010年1月から2011年9月の間に、ムルタラ・モハマド空港で逮捕した薬物密輸犯は291人、押収した薬物は約613キログラムに上ると発表しました。2・2日に1人の割合で逮捕している計算になります。

2010年の1年間で逮捕した被疑者は、男性172人と女性28人。押収した薬物の総量は約400キログラムで、内訳はコカイン238キログラム、ヘロイン45キログラム、大麻42キログラム、メタンフェタミン/アンフェタミンが75キログラムなど。

また2011年1~9月の間では、逮捕した被疑者は91人(男性81人、女性10人)。押収した薬物の総量は約213キログラムで、内訳はコカイン80キログラム、ヘロイン22キログラム、大麻58キログラム、メタンフェタミン/アンフェタミンが45キログラムなど。

NDLEA長官は、ナイジェリアでは同局が薬物取引を阻止しているので、はドラッグ・バロンをのさばらせはしないと語っています。近年では、取締りが厳しくなった結果、薬物の隠匿方法が巧妙になり、空港で薬物密輸犯として逮捕された人たちの多くが、薬物を飲み込んだりして体内に隠匿していたといいます。ほかにも、スーツケースの金属製ハンドルや二重底、ブロンズ像や食品の内部に隠匿するなどあらゆる手口が使われています。

また、逮捕される密輸犯は、若年者から高齢者まであらゆる年齢層に及んでいます。

さらに長官は、マレーシアなど薬物密輸犯罪者に死刑を科す国に向けて、若者が薬物密輸を企てることや、体内に飲み込んだ薬物が漏れ出してしぼうする事故など、憂慮される事例をあげ、「これらは憎悪すべき薬物取引の現実である」といいます。

しかし、総力戦で密輸出阻止にあたっているにもかかわらず、ナイジェリアの薬物犯罪は相変わらず深刻な様相です。しかも、警戒の厳しくなった大都市ラゴスの国際空港をさけて、最近では、周辺国の空港を利用するケースも増えています。西アフリカでも、薬物との戦いの終着点は、なかなかみえてこないようです。

[出典]
■NDLEAは291人の薬物密輸犯を逮捕し、60億ナイラ相当の薬物を押収HOW NDLEA ARRESTED 291 DRUG TRAFFICKERS WITH OVER 6 BILLION NAIRA DRUGS
NDLEA >Press Releases(11/18/2011)
http://www.ndlea.gov.ng/v1/?q=content/how-ndlea-arrested-291-drug-traffickers-over-6-billion-naira-drugs-0

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「2021年になって未だに?」 NHKきっかけに日本のFAX文化が世界に 海外からは驚きの声

    BLOGOS しらべる部

    07月29日 17:14

  2. 2

    都の感染者が3865人のからくり 検査数が増えれば陽性者数も増える

    諌山裕

    07月30日 13:07

  3. 3

    もう、オリンピック・ムードに浸り続けるのは無理なんじゃないかな

    早川忠孝

    07月30日 08:37

  4. 4

    表現の自由を侵害? ネットフリックスなどへの規制に向かうイギリス

    小林恭子

    07月30日 13:34

  5. 5

    五輪で弁当4000食廃棄にショック 河野大臣も驚きのけぞる

    柚木道義

    07月30日 10:28

  6. 6

    なぜ無効な政策をいつまでも続けるのか?

    青山まさゆき

    07月30日 16:11

  7. 7

    「桜を見る会」不起訴処分の一部を不当に 検察審査会法の改正は司法改革の大きな成果

    早川忠孝

    07月30日 19:09

  8. 8

    不気味に大人しい小池百合子知事、目線の先にあるものは…?ワクチンの集中要請と追加経済対策を急げ

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    07月30日 08:12

  9. 9

    「日本にロックダウンという手法はなじまないと思う」 法整備の必要性を問われ菅総理

    ABEMA TIMES

    07月30日 21:20

  10. 10

    東京都の銭湯料金が8月1日から値上げ ブームから一転、コロナ禍で利用客減少

    BLOGOS しらべる部

    07月30日 17:18

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。