アベノミクスによる「好景気」が続いているそうです。誰も「好景気」など実感しないにも関わらずです。
一部の企業が内部留保を溜め込み、しかし、庶民の購買力が上がることもなく非正規労働が不安定な生活を強いられ、生活保護費が大幅に削減されるような状況の中で「好景気」などと言ってみても誰も納得するはずもありません。
こうした中で財界は人件費にカネを出さず、溜め込んでいるのですが、その結果、不足しているのが労働力です。日本国内で労働力を確保することができず、外国から「輸入」している状況がずっと続いているし、それを拡大していこうというのが今の安倍政権であり、財界です。
しかし、その技能実習生に対する仕打ちはあまりにひどいものがあるのではないでしょうか。
「「同僚にガソリンかけられ大やけど」元技能実習生の中国人が提訴、深刻な後遺症」(弁護士ドットコム)
「茨城県の土木建設会社で働いていた中国人男性(32)が12月7日、同僚にガソリン入りの油をかけられたうえ、火をつけられて大やけどを負ったとして、同僚と会社を相手取り、計約9000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。」
ガソリン入りの油をかけられ、火を付けたなど死の危険すらあったではありませんか。
刑事事件にもなっていますが、暴行罪で懲役1年6月執行猶予3年という被害の比べて極めて軽い量刑でした。
恐らく、火傷を負ってすぐに診断を受けることなく、証拠という関係で暴行罪を限度にしたのかもしれませんが、刑事事件の詳細はわかりません。しかし、あまりに軽い量刑です。
これを特別な事件と考えてはいけないということです。いつでも起きうる事件だということです。このような事件は日本人同士でも起きることはありますが、それでも外国人だからということもあるのではないでしょうか。蔑視的な発想がないとできないのではないかという疑念が拭えません。
技能実習生が逆に日本人に矛先を向けた事件もありました。あまりに過酷で低賃金の奴隷労働に耐えられなかったことが原因です。
「このままではまた起きる実習生による事件」
安い労働力で自分たちの生活を支えるということ自体が異常なのです。しかも、外国人を利用していることが国力の低下だということを認識しているのでしょうか。
安倍政権は「同一労働同一賃金」などということも口にしていました。
そうであれば、技能実習生であろうとも「同一労働同一賃金」でなければなりません。
財界が溜め込んだ利益は、労働者を搾取し、税制でも優遇された結果、得られたものです。
全部、吐き出させて当然のものです。
そうしたことにより、日本での労働力を確保していくことこそ必要なことです。