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「第13回日中共同世論調査」結果

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認定NPO法人 言論NPO
【調査協力】
日本:輿論科学協会 中国:零点研究コンサルティンググループ

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調査の概要

 日本の言論NPOと中国国際出版集団は、日中の両国民を対象とした共同世論調査を今年10月から11月にかけて実施した。この調査は、最も日中関係が深刻な状況だった2005年から毎年継続的に行われているものであり、今回で13回目となる。調査の目的は、日中両国民の相互理解・相互認識の状況やその変化を継続的に把握することにある。

 日本側の世論調査は、全国の18歳以上の男女を対象に10月21日から11月5日にかけて訪問留置回収法により実施され、有効回収標本数は1000である。回答者の性別は、男性48.6%、女性51.4%。年齢は、20歳未満が2.4%、20~29歳が11.8%、30~39歳が14.8%、40~49歳が17.5%、50~59歳が14.5%、60歳以上が39%。最終学歴は、中学校以下が7.7%、高校卒が47.3%、短大・高専卒が21%、大学卒が21%、大学院卒が1.6%である。

 これに対して、中国側の世論調査は、北京・上海・広州・成都・瀋陽・武漢・南京・西安・青島・鄭州の10都市で18歳以上の男女を対象に、10月20日から11月1日にかけて調査員による面接聴取法により実施され、有効回収標本は1564である。回答者の性別は、男性48.4%、女性51.6%。年齢は、20歳未満が1.3%、20~29歳が20.5%、30~39歳が27.9%、40~49歳が26.6%、50~59歳が16.5%、60歳以上が7.1%。最終学歴は中学校以下が9%、高校・職業高校卒が36.8%、専門学校卒が28.3%、大学卒が24.6%、ダブルディグリーが0.9%、大学院卒が0.2%である。

  なお、この調査と別に、言論NPOと中国国際出版集団は、有識者調査を世論調査と同じ内容で実施した。世論調査と並行してこうした有識者調査を実施しているのは、専門家や知識層の見方と世論調査結果を比較することで、全体的な日本人や中国人の認識を補完しようと考えたからである。日中両国の有識者の多くは、相手国に関する情報取得を自国のメディアやインターネットだけに依存しておらず、実際に渡航したり、相手国の友人や知人から直接的な情報を得ているなど、一般世論とは異なる傾向がみられる。

 日本では、これまで言論NPOが行った議論や調査に参加した国内の企業経営者、学者、メディア関係者、公務員など約2000人を対象に、11月2日から11月27日にかけて世論調査と同内容のアンケートをメール送付して回答を依頼し、うち341人から回答を得た。回答者の性別は、男性81.8%、女性11.4%。年齢は、20歳未満が0.6%、20~29歳が4.1%、30~39歳が9.1%、40~49歳が13.5%、50~59歳が24%、60歳以上が46.6%。最終学歴は、中学校以下が0%、高校卒が2.1%、短大・高専卒が1.5%、大学卒が58.9%、大学院卒が30.5%である。

 中国では、零点研究コンサルティンググループが有する企業関係者、政府関係者、メディア関係者、専門家、公共団体関係者などのデータベース(4.5万人)の中から5350人を対象に、10月20日から11月1日まで電話による調査を行い、603人から回答を得た。回答者の性別は、男性65.7%、女性34.3%。年齢は、20歳未満が0%、20~29歳が14.6%、30~39歳が51.1%、40~49歳が23.4%、50~59歳が8.6%、60歳以上が2.2%。最終学歴は、中学校以下が0.2%、高校・職業高校卒が4.3%、専門学校卒が10.6%、大学卒が55.2%、ダブルディグリーが4.1%、修士が20.1%、博士が5.5%である。 ※ここでの数値は小数点第二位以下を四捨五入しており、また無回答を除いているため、合計が100%にならない場合がある。

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日中関係の現在と将来

 両国民の間に、現状の日中関係に対する判断で改善傾向が顕著となっている。現在の日中関係を「悪い」と判断している日本人は44.9%と、昨年の71.9%から大きく減少し、過去13回の調査では3番目に低い水準になった。50%の水準を切るのは7年ぶりである。中国人では依然として64.2%が「悪い」と判断しているが、昨年からは14ポイント減少している。

 この一年間の日中関係の変化については、両国民ともに「特に変化していない」が最も多く、そう思う人が昨年よりも増加している。「良くなった」との見方は両国で1割前後だが、「悪くなった」との見方は日本人では昨年から18ポイント減の26.5%、中国人では22ポイント減の44.5%と減少している。

 今後の日中関係の見通しについては、「変わらない」と思う人が両国で最も多いが、「悪くなっていく」という見方は日本人では11ポイント減の23.6%、中国人でも21ポイント減の29.7%となっている。今後は「良くなっていく」という人が両国民ともに増加しているが、特に中国人では28.7%と昨年の19.6%を大きく上回っており、今後の日中関係の行方に対する悲観的な見方は減少している。

【現在の日中関係】

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日中関係の発展を妨げるもの

 日中関係の発展を妨げるものでは、依然として「領土をめぐる対立」が最も多く、両国民にそれぞれ6割程度存在する。中国人では、それに続いて「日本の歴史認識や歴史教育」と「経済摩擦」、「海洋資源などをめぐる紛争」、「政府間に信頼関係がないこと」が3割程度ある。日本人では、「海洋資源などをめぐる紛争」と「政府間」や「国民間」に信頼関係がないことを挙げる人がそれぞれ3割程度あり、「領土をめぐる対立」に続いている。

【日中関係の発展を妨げるもの】

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日中両国民の相手国に対する印象

 日本人の中国に対する印象は「良くない」は、わずかながら改善したが、依然8割台にある。これに対して、中国人の日本に対する印象は「良くない」は昨年から10ポイント減少し、66.8%となり、5年ぶりに6割台にまで改善した。日本人に対する「良い」印象も10ポイント増加し、31.5%と5年ぶりに3割台を回復した。

【相手国に対する印象】

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相手国に対する印象の理由

 日本人が中国に「良くない」印象を持つ最も大きな理由は、「尖閣周辺の侵犯」の56.7%で最も多いが、昨年よりは減少している。これに対して、「共産党の一党支配という政治体制」が39.8%と4割に迫っており、昨年よりは15ポイント増加している。  中国人で、日本に「良くない」印象を持つ最も多い理由は、昨年同様に「歴史をきちんと謝罪し反省していない」や、「尖閣の国有化」を理由に挙げる人が多く、それぞれ6割を超えているが、「日本が米国その他の国と連携して中国を包囲しようとしているから」が53.2%と5割を超えている。

 日本人が中国に「良い」印象を持つ理由で最も多いのは、「観光客の増加や民間交流により中国人の存在が身近になっているから」が、47.8%で最も多い。中国人では、「日本人は礼儀があり、マナーを重んじ民意が高い」が61.8%(昨年は52.9%)で最も多く6割を超えている。「日本製品の質が高い」が53.5%でそれに続いているが、これも昨年の46.8%を大きく上回っている。

【良くない印象の理由】

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【良い印象の理由】

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昨年から両国の国民感情は変化したか

 両国国民の相手方への感情が、昨年からどのように変化したのかを尋ねると、日本人は「変化していない」が40.8%で最も多く、「わからない」が30.5%で続いている。一方、中国人では、「悪化した」が49.7%と半数近いが、「好転した」という人も2割いる。

【昨年から両国の国民感情は変化したか】

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相手国の社会・政治体制に対する理解

 日本人では中国を依然として「社会主義・共産主義」とみている人が最も多く、これに「全体主義(一党独裁)」が続いている。中国人では、日本を「資本主義」とみる見方が最も多いが、その他「軍国主義」「覇権主義」とみる人もそれぞれ3割を超えている。 【相手国の社会・政治体制に対する理解】

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相手国の政治家の誰を知っているか

 日本人の中では依然として「毛沢東」が知名度が高く、9割が知っているが、「習近平」が8割とそれに迫ってきている。「李克強」は1割台にとどまっている。「安倍晋三」を知っている中国人は8割近い。

【政治家の誰を知っているか】

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