- 2017年12月26日 07:50
髪を切ることは本業ではなく、もはや副業みたいなもの――美容師 木村直人×サイボウズ 青野慶久
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ある日、青山のおしゃれな美容室「LOVEST青山 by air」に連れてこられたサイボウズの青野社長。
状況が飲み込めないながらもサイボウズ式の企画に協力しようとする青野。微妙な笑顔だ
これまでも青野はサイボウズ式で、ZOZOTOWNさんやクックパッドさん、レアジョブさんなどにご協力いただき、数々のチャレンジ企画に挑戦してきた。
最近ではSoup Stock Tokyoなどを経営するスマイルズの遠山社長に服装をコーディネートしていただいた。
今日は何? 髪の毛切られるの?
はい、カリスマ美容師の木村直人さんに青野さんの髪をカットしていただきます。
木村直人(きむら・なおと)さん。人気美容室 air / LOVESTの執行役員、Director。モデルや女子アナウンサーなどのヘアも手がけるカリスマ美容師。自身が運営するメディアは月間200万PVを超え、オンラインサロンの運営も行っている
木村さんは、Twitterのフォロワーが2万8,000人もいる有名美容師なんですよ。
(僕より多い……)
美容業界の中でも特殊な働き方をしている方なので、働き方改革について意見を聞けたらおもしろいかなと思ってセッティングしました。
なるほど。
あと、青野さんはいつも1,000円カットで髪の毛を切っていらっしゃるということなので、たまには“カリスマ美容師”の方に切っていただくのもいいんじゃないかと思って。
1,000円カット、素晴らしいのに……!

こんにちは、木村です。よろしくお願いします。髪の毛やヘアスタイルについて、何か悩みはありますか?
うーん、しいて言えば、髪のボリュームが均等じゃないのが気になっていますね。顔の横部分の髪が主張しがちというか。
青野さんは、典型的な「日本人経営者の髪」ですね。
えっ、そんな特徴ありますか!?
経営者の方は、疲労で毛が細く、髪の毛が柔らかくなっている方が多いです。
日本人の8割くらいはハチが張っていて、髪の毛が細くなるとトップの部分から薄くなるので、相対的に顔の横、サイドの髪が主張しがちなんですよ。
そうか、髪が細くなると、本数が減っていなくても薄くなったように見えてしまうんですね。
体感ですが、やっぱり社長クラスの方は髪が薄くなりやすいなとは思います。
(……気を付けよう)
青野慶久(あおの・よしひさ)。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立した。2005年4月には代表取締役社長に就任(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し、離職率を6分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得している。2011年からは、事業のクラウド化を推進。厚生労働省「働き方の未来 2035」懇談会メンバーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。著書に『ちょいデキ!』(文春新書)、『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)
今日は、サイドのボリュームをおさえながらトップをふわっとさせたらいいかなと思っています。
よろしくお願いします。
そもそも美容室は利益率の低いビジネスモデル。20代半ば頃まではお金がなくて借金もあった
青野さん、年齢お伺いしても良いですか?
46歳です。
その年齢の経営者にしては、白髪が少ないですね。ストレスが少ないのかな?
たしかに、ストレスはそんなにないかもしれません。
投資をしている人は、経営者の髪を見るといいかもしれませんね(笑)。その会社の状況が少なからずわかる気がします。
投資家でもある木村さん。「一部上場企業の経営者の方は人前に立つ機会が多いので、髪にも気を配ってほしいなと思います。髪の毛がイメージに与える影響は大きいです。決算説明会で疲れているように見えたら、株も買わないですよね」
サイボウズってヘアサロンでもよく使われているシステムですよね。6〜7年くらい前から、美容業界でもよく名前を聞きますよ。
おお、ありがたいです。
美容業界って給料が安くて離職率が高いイメージがあるんですけど、それは合っていますか?
一般的には、美容師は離職率が高いみたいですね。自分の周囲では、意外と離職率は高くないんですけど。
給料が安いというのは、そもそも美容室って利益率が低いビジネスモデルなんですよ。固定費に対して人件費が多くかかるし、肉体労働で仕事自体キツイ。
ふむふむ。
僕、今39歳なんですけど、20代半ば頃までは借金もあってお金もなくて。
どうしてだろうと考えたときに、美容室には経費や人件費がかかりすぎてるから、たくさんお客さんが来ても儲からないんだということに気づいたんです。