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崩壊寸前の地域医療 福島県大町病院の場合

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トップ画像:医療法人社団青空会大町病院 出典)医療法人社団青空会大町病院HP  

上昌広(医療ガバナンス研究所 理事長)

【まとめ】

・福島県南相馬市大町病院で常勤内科医退職により診療継続が困難に。

・大町病院の危機に市内の他病院の若手医師が手を上げ始めた。

・地域医療を守るのは志のある若者。厚労省や都道府県、大学医局に依存しても何も解決しない。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=37556のサイトでお読みください。】

今回も青空会大町病院(福島県南相馬市)のことを書きたい。この病院は南相馬市内の基幹病院の一つだ。ところが、唯一の常勤内科医の退職をきっかけに診療継続が困難となっている。詳細は既報の通りだ(http://japan-indepth.jp/?p=35381)(http://japan-indepth.jp/?p=36518)。

最近になって、さらに事態は悪化した。前回もご紹介したが(http://japan-indepth.jp/?p=37215)、12月2人の非常勤の内科医が退職した。これで、内科の患者は、9月に自ら志願して、南相馬市立総合病院から異動した山本佳奈医師が一人で診ることになった。

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写真)山本佳奈医師(中央) 出典)医療法人社団青空会大町病院

外来は毎日。患者数は100名を超えることもある。これに加え、15~20人程度の入院患者を担当する。これに月に5回の当直が加わる。こんな状況は、いつまでも続けられない。

猪又義光院長をはじめ、病院幹部は必死で医師を探した。猪又院長は慈恵医大卒。震災前から、医師派遣は慈恵医大の医局に依存してきた。当然、慈恵医大に頼んだだろうが、この原稿を書いている12月20日現在、同大学からの内科医の派遣はない。

この状況をみて動いたのは、南相馬市立総合病院の消化器内科医である藤岡将医師だ。藤岡医師は2012年に東大医学部を卒業。南相馬市立総合病院で初期研修をおえ、そのまま消化器内科を専攻した。学生時代から、当研究室で学び、山本佳奈医師とは旧知だ。

「このまま放っておく訳にはいかない」と、彼は南相馬市立総合病院幹部と相談し、毎週月曜日に年休をとって、大町病院の外来を担当することになった。このような面倒くさい形式をとったのは、彼が地方公務員だからだ。病院幹部から指示されたようだ。

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(写真)大町病院で診療する藤岡将医師 ©上昌広

この話を聞いたいわき市内の病院長が「私たちもお手伝いします」と声がけしてくれた。非常勤医師を派遣すべく調整が進んでいる。

ただ、これだけで不十分だ。やはり常勤の医師がいる。この状況をみて動いたのが、同じく南相馬市立総合病院の乳腺外科医である尾崎章彦医師だ。2010年に東大医学部を卒業し、千葉県旭市、福島県会津若松市の病院で勤務後、2014年10月に南相馬市立総合病院に異動した。私たちの研究室には東大医学部在学中から出入りしている。前出の山本医師、藤岡医師とは旧知だ。

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