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- 2011年12月12日 09:41
法律事務所系「回転ずし」という現象
法律事務所が回転ずし事業に進出するという話が話題になっています(「Perfect & Complete」 「Schulze Blog」)。その事務所というのは、CМでもおなじみの弁護士法人アディーレ法律事務所(石丸幸人・代表弁護士)です。債務整理分野に特化した法律事務所としてスタートして規模を拡大、全国に18の拠点を持つ、急成長した大手新興事務所です。
もちろん前代未聞のことです。そもそも弁護士が法律事務所の事業として回転ずしをやろう、という発想は、およそこれまでの弁護士の感覚からすれば出てこないものでしょう。奇抜といえばそれまでで、新しいという言い方ももちろんできますが、それ以前の理解不能ととらえてしまう弁護士の方も少なくないと思います。
状況としては、もちろんいわゆる「過払いバブル」の終焉とともに、それに依存していた弁護士たちが新たな収入源を模索し始めていることと結び付けることもできる話ですが、ひとえにこれが弁護士の本業とするサービスから距離があること、その一点を弁護士たちがどういう意識で受け止めているのか、むしろそこが同業者としても問いたいところだと思います。
アディーレ法律事務所の、この新規事業担当求人の募集要項に、彼らの考えが示されています。
「私たち弁護士業界は弁護士の大増員時代を迎え、競争が激化してきたことも事実です。この競争時代に当事務所は新たなリーガルサービスを構築・提供することで対応して参りましたが、リーガルサービスにこだわったり、リーガルサービスと親和性のある領域に限定してサービスの拡充を行っていたのでは、組織としての大きな成長が見込めないことが分かってきました」
「そこで私たちは、リーガルサービス『ではない』市場の可能性を求め、新たなステージに踏み出しました。一例を挙げれば、通販、保育、介護、葬儀、アジアへの展開も含め、あらゆる可能性を模索し続けています。リーガルサービスとの親和性なんて不要です。むしろそのような限定は、視界を狭めるだけです」
「リーガルサービスと親和性」のある領域に限定していたならば、組織として成長が見込めない、逆に組織成長のためならば、その「親和性なんて不要」と言い切っているところが、すべてを言い尽くしているというべきかもしれません。こここそ、従来の弁護士がしなった発想、まさにサービス事業として割れ切った弁護士の姿の一つの到達点ともいうべきものです。
「リーガルサービス『ではない』市場の可能性」を求める弁護士の姿は、組織拡大とそのための経済的な効果が見込めるいくつものサービスと、リーガルサービスを、その目的のために、まさに並列的にとらえる発想が見てとれます。「不要」と断定的にいう言葉は、そうした従来の弁護士の抵抗感との決別宣言のようでもあります。
もちろん、これは弁護士の雇用に貢献するものではありません。これを弁護士の業態のようにとらえて注目するのはおかしい、という冷めた見方もあります。
「資金的に余裕があるうちに投資をして業務を拡張しただけでしょ。弁護士業で貢献利益も稼げなくなれば、飲食業に移行するんでしょ。事実上の転職ですよ。弁護士業を特別視すると変わった行為ですが、弁護士業とは関係ないただの事業投資でしょう」(前出「Perfect & Complete」へのコメント)
一方で、こんな弁護士のとらえ方もあります。
「弁護士会の動きにも注目ですが、それよりも司法制度改革を推進してきた人たちは、こういう動きをどう評するんでしょうかね。これも法律家が社会の隅々に行き渡るという一つの姿なんですかね」(前出「Schulze Blog」)
「改革」が描いた、弁護士が増え、社会の隅々に顔を出してくる社会。そこに登場してくるのが、結局、リーガルサービス「ではない」事業への強い関心と意欲を持つ弁護士、否、弁護士バッチをつけた実業家であるということを「改革」を描いた側、それを受け止めた側もどれだけ想定していたのでしょうか。それとも、これもシナリオ通りなのでしょうか。
もし、これがシナリオからずれてきたことを示すものなのであれば、やはりそはそれとして、この先の未来を描き直さなければならなくなるはずです。
もちろん前代未聞のことです。そもそも弁護士が法律事務所の事業として回転ずしをやろう、という発想は、およそこれまでの弁護士の感覚からすれば出てこないものでしょう。奇抜といえばそれまでで、新しいという言い方ももちろんできますが、それ以前の理解不能ととらえてしまう弁護士の方も少なくないと思います。
状況としては、もちろんいわゆる「過払いバブル」の終焉とともに、それに依存していた弁護士たちが新たな収入源を模索し始めていることと結び付けることもできる話ですが、ひとえにこれが弁護士の本業とするサービスから距離があること、その一点を弁護士たちがどういう意識で受け止めているのか、むしろそこが同業者としても問いたいところだと思います。
アディーレ法律事務所の、この新規事業担当求人の募集要項に、彼らの考えが示されています。
「私たち弁護士業界は弁護士の大増員時代を迎え、競争が激化してきたことも事実です。この競争時代に当事務所は新たなリーガルサービスを構築・提供することで対応して参りましたが、リーガルサービスにこだわったり、リーガルサービスと親和性のある領域に限定してサービスの拡充を行っていたのでは、組織としての大きな成長が見込めないことが分かってきました」
「そこで私たちは、リーガルサービス『ではない』市場の可能性を求め、新たなステージに踏み出しました。一例を挙げれば、通販、保育、介護、葬儀、アジアへの展開も含め、あらゆる可能性を模索し続けています。リーガルサービスとの親和性なんて不要です。むしろそのような限定は、視界を狭めるだけです」
「リーガルサービスと親和性」のある領域に限定していたならば、組織として成長が見込めない、逆に組織成長のためならば、その「親和性なんて不要」と言い切っているところが、すべてを言い尽くしているというべきかもしれません。こここそ、従来の弁護士がしなった発想、まさにサービス事業として割れ切った弁護士の姿の一つの到達点ともいうべきものです。
「リーガルサービス『ではない』市場の可能性」を求める弁護士の姿は、組織拡大とそのための経済的な効果が見込めるいくつものサービスと、リーガルサービスを、その目的のために、まさに並列的にとらえる発想が見てとれます。「不要」と断定的にいう言葉は、そうした従来の弁護士の抵抗感との決別宣言のようでもあります。
もちろん、これは弁護士の雇用に貢献するものではありません。これを弁護士の業態のようにとらえて注目するのはおかしい、という冷めた見方もあります。
「資金的に余裕があるうちに投資をして業務を拡張しただけでしょ。弁護士業で貢献利益も稼げなくなれば、飲食業に移行するんでしょ。事実上の転職ですよ。弁護士業を特別視すると変わった行為ですが、弁護士業とは関係ないただの事業投資でしょう」(前出「Perfect & Complete」へのコメント)
一方で、こんな弁護士のとらえ方もあります。
「弁護士会の動きにも注目ですが、それよりも司法制度改革を推進してきた人たちは、こういう動きをどう評するんでしょうかね。これも法律家が社会の隅々に行き渡るという一つの姿なんですかね」(前出「Schulze Blog」)
「改革」が描いた、弁護士が増え、社会の隅々に顔を出してくる社会。そこに登場してくるのが、結局、リーガルサービス「ではない」事業への強い関心と意欲を持つ弁護士、否、弁護士バッチをつけた実業家であるということを「改革」を描いた側、それを受け止めた側もどれだけ想定していたのでしょうか。それとも、これもシナリオ通りなのでしょうか。
もし、これがシナリオからずれてきたことを示すものなのであれば、やはりそはそれとして、この先の未来を描き直さなければならなくなるはずです。



