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労働環境が劣悪でなく、コストパフォーマンスが良く、しかもサービスが良い。そんな介護業界を実現したい - 「賢人論。」第50回落合陽一氏(後編)

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高齢者にお金を使う場を提供すれば、経済は再び回り出す

みんなの介護 車椅子とベッドの融合、というと?

落合 ベッドから車椅子に乗り移るときと車椅子からトイレに移るとき、高齢者が転倒事故に遭う可能性が高いそうなので、スムーズに移乗ができるためには、どういった変形形態を持たせておくべきか、ということを考えています。ベッドと車椅子のどちらに変形機能をもたせるかなど、まだほとんど決めきれていないんですけれど。

私が目指しているのは、人間が機械に合わせるのではなく、機械が人間に寄り添う方向。私が開発している自動運転の車椅子もそういう発想でつくったものです。

みんなの介護 極力、仕事を機械の手に委ねることで安全性も増すし、介護士さんは「人間にしかできない」部分の仕事に専念できるようになる、と。

落合 資金力のあるユーザーはそっちへ流れていくと思うんですよね。そういう形で介護をした方が、よりクリーンなイメージがありますから。

研修医としてホスピスに勤めている友達が何人かいるんですが、決してネガティブな仕事ではないとみんな言っています。ただ、ホスピスと介護施設では大きな違いがあるんですよね。介護士はこれから「ホテルマン」のような前向きな仕事にしていきたいですね。

ホスピスは費用が高額なのでサービスの質を上げやすいですし、それに「看取り」という目的があるのでアプローチが明確。この2つの要素は、やりがいとして正しい方向のものだと思います。介護施設もそういう風になっていけばいいと思いますし、そのために私も頑張っています。

みんなの介護 落合さんは現在、「介護」に関するお仕事にどのくらいエネルギーを割いているのですか?

落合 3割くらいですね。結構、大きな割合を占めていますよ。目、耳などの感覚補完、車椅子、義手、移動ロボットなどの開発をする「ダイバーシティプロジェクト」に使う時間がだいたいそれくらい。このプロジェクトでは高齢者に限らず、若くして障害を持っている方も対象にしています。

現在は高齢化により若年人口の絶対数が少なくなったし、しかも彼らにはお金がないので、いま経済は元気がなくなってきています。反対に、高齢者の方々は比較的お金を持っているんだけれど、使う場所がない。

これまでお話ししてきたような高齢者向けのハードウェアをリリースしていくことは、回り回って、若い人たちにお金が落ちていき、経済が活性化していくことにもつながると思っています。

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