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18年大胆予測、日銀YCC放棄 1ドル100円に=サクソバンク

[東京 18日 ロイター] - デンマークの投資銀行サクソバンクのスティーン・ヤコブセン最高投資責任者(CIO)は、ロイターとのインタビューで、来年の「大胆予測(Outrageous Predictions)」として、日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を放棄することを挙げた。

世界的に利回りが上昇し、急激な円安が進行。輸入物価の高騰に、国民の不満が高まる中で、単純な量的緩和策に回帰。ドルは100円に急落する可能性があるという。

サクソバンクは、コペンハーゲンに本拠を置くデリバティブ取引の世界的大手。6月末時点の預かり資産残高は982億デンマーククローネ(約1兆7500億円)。チーフ・エコノミストも兼任するヤコブセン氏は、同行が毎年末に発表する「来年の大胆予測」の責任者も務め、16年のブレグジットを的中させたことでも知られる。

インタビューは同氏が来日した15日に東京で行った。概要は以下の通り。

──日銀がYCC政策を放棄するケースは、どのようなものか。

「YCCが機能する前提は、他国の金利が低水準で安定することだ。しかし、FRB(米連邦準備理事会)は来年も利上げを継続する見通しであり、BOE(英中央銀行)は今年利上げに踏み切った。ECB(欧州中央銀行)も緩和縮小を明言している。こうしたなかで、日銀がYCCを維持しようとすれば、ドル円は130円や150円に上昇する可能性がある」

「急激な円安進行が起きた場合、(近隣窮乏策であるとして)他国からYCCに対する批判が高まろう。特に中国からは強くなりそうだ。さらに輸入物価が高騰し、主婦などからも批判が高まる。日銀はYCCを諦め、単純な量的緩和政策に回帰することになるのではないか。その際、ドルは100円まで急落する可能性があるだろう」

──インフレが進まないうちは、金利上昇やドル高/円安も緩やかなのでは。

「そう。これはあくまで大胆予測だ。金利上昇が緩やかでドルが120円程度までしか上がらないときは、この限りではない。ただ、リバーサルレートの議論を持ち出すなど黒田総裁は正常化に意欲があるように見受けられる。一方、エコノミストなどには緩和を望む声もある。両者間にはかなりの対立があるようだ」

──日銀がYCCを止めて円高になれば、経済にも悪影響が出る。

「日本の最大の問題は、金融政策ではない。いわゆる第3の矢を放てないところにこそ問題がある。来年度の税制改正案も小粒で細分化されたものばかりだ。法人減税と賃金をリンクさせようとしているが、うまくいかないとみている」

「大胆に提案させてもらえるなら、日本政府は今後10年間何もしない方がいい。企業部門は非常に強くなっているのだから、そこを伸ばして政府債務問題を解決するようにすればいい。円安によって、国の債務のGDP比を下げるというのは間違っている。為替は安定していれば十分だ」

──ビットコインが6万ドルまで上昇し、その後、1000ドルまで下落するという大胆予測も出している。

「ビットコインは今年最も成功したが、成功すればするほど、規制当局や国は介入したがるものだ。国や規制当局の目的は、税収を最大化し、金融制度内の資金のフローをコントロールすること。実際、韓国やロシアなどでは規制の動きがすでに出ている」

「ビットコインの価格上昇は今後も容易に起こりうるが、上昇すればするほど、規制当局や国の介入の可能性も高まる。あくまで大胆予測で、来年中にそこまでいくかどうかはわからないが、最終的には、マイニングコストである1000─1200ドルまで下がるとみている」

──各国の政府は、研究を始めているようだ。新しい時代の「通貨」になる可能性はあるのか。

「その可能性は5%くらいしかないだろう。ビットコインは1日で25%も動くこともある。これではきちんとしたトランザクションはできにくい。われわれが通貨に求めている安定性や、交換性、価値の保存といった点において、これほどボラティリティーが高い通貨は世界共通の通貨にはなり得ない」

──仮想通貨は生まれたばかりだ。いずれ安定していくのではないか。

「もう1つ別な通貨が必要なのだろうか。ドルも円もスイスフランもかなりうまく機能している。10年先を見越せば、独立性を持った通貨になるというよりは、政府が個々のトランザクションを100%見ることで、情報をコントロールする手立ての1つになってしまうのではないかとみている」

<サクソバンクの2018年大胆予測>

1、米国では財務省がかじを握り、FRBが独立性を喪失。利回りの大幅上昇に伴い、財務省が2.5%の利回りキャップを発動。

2、日銀、統制力を失いYCC政策の放棄へ。ドル/円100円まで急落。

3、中国が人民元建て原油先物取引を開始。ドル/人民元は6.0元を割り込む。

4、S&P500が突然の「フラッシュ・クラッシュ(瞬間的な暴落)」により、ボラティリティーが急上昇。マイナス25%の急激な下落に。

5、米有権者が中間選挙で左傾化。債券利回りが急上昇し、30年米国債の利回りは5%を突破。

6、EU内で結成時の中核国と新加入の諸国との対立が深刻化。独仏連合が主導権を失うなかで、「オーストリア・ハンガリー帝国」がEUの敵対的乗っ取りを開始。ユーロ/ドルは高値更新後、1ドルちょうどに向かう。

7、政府の逆襲により、投資家のビットコイン離れが進む。価格は1000ドルに落ち込む。

8、「アフリカの春」の後、南アフリカが復活。ランドが他の新興国通貨に対して30%値上がりする。

9、中国の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の株価が100%上昇し、米アップルに代わって時価総額世界第1位に躍り出る。

10、女性が企業内での権力を握る。フォーチュン誌がまとめる世界上位500社のうち、60社以上で女性が最高経営責任者(CEO)に。

(伊賀大記)

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