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高齢者だけに音が大きく聞こえるテレビが市販されるのもそう遠くない - 「賢人論。」第50回落合陽一氏(前編)

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高齢社会では、車の自動運転はますます必要とされる技術

みんなの介護 そんな見方があるなんて、驚きでした。日々、さまざまなものからアイデアを得ているんですね。

落合 それで今イルカの研究をしようと思っていて、実際に触りに行ったりしています(笑)。音響メタマテリアルレンズというものを設計するために、イルカの頭部に入っているソナーを3Dプリンターでコピーし、その模型を実際に引っ張ったり縮めたりして調べているんです。

ヘッドマウントディスプレイの開発にも力を入れています。これは、眼鏡のように頭に装着するモニターのこと。VR用のゴーグルみたいなものですね。ただ、現在普及しているVRゴーグルのような形だと、出力される映像で視界が埋め尽くされてしまうので、私は映像の向こうに現実の景色を透過でき、かつ普通の眼鏡のような形のものをつくっています。

その分野を扱っている研究室は世界に5~10ほどしかないんですけれど、おそらく5年以内には製品化できると思いますね。いずれにせよ、収益化までは近いです。競合はMicrosoftやGoogle。企業によってそれぞれ違ったメーカーと組んで開発しているため、それほど“熾烈な競争”という感じでもないんですけれど。

みんなの介護 ということは、落合さんの研究から製品として発表されるものが出てくるのも、そう遠くない未来、ですね。他には何かありますか?

落合 それから、車の自動運転。今後はGPSの精度が上がって、道路という決められたパスの上を正確に走るようになることができるだろう、というところです。

実用化にはまだ遠い、というほどではないんですが、まだ“ピースのつなぎこみが”できていない、という印象ですね。広い道路に限れば、もう技術としては完成しているんですけど。

みんなの介護 実用化への壁はどのあたりなのでしょう?

落合 今の自動運転は、人間が運転していないのに、急に止まったり動いたりするから酔いやすい、ということが問題。技術の開発を進めていると、そういう思わぬ問題が後から出てくるということはよくあります。

でも、今後の高齢社会で自動運転は絶対にあった方が便利だと思います。田舎では自動車が主な交通手段なので、高齢者が人を轢いてしまう、という事故が多発しているんです。課題は道路が舗装・区分けされている、ということを前提にして自動運転のプログラムが組まれていること。田舎道などにも対応した汎用的なものをつくるため、今後研究を進めていきたいと思っています。

みんなの介護 中編では、そんな落合さんが拓く介護の未来について、具体的にお話を伺いたいと思います。

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