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子育て世帯を直撃する生活保護の自動車保有問題

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母子世帯の保護率の地方格差は31倍

 次の表は、都道府県・政令指定都市別にみた母子世帯の世帯保護率(2015年度、1カ月平均)(推計値)である。

 都道府県別の母子世帯の世帯保護率を見ると、東京都は19%に近い世帯保護率である。一方、富山県は、わずか0.61%の世帯保護率である。

都道府県・政令指定都市別にみた母子世帯の世帯保護率(2015年度、1カ月平均)

     世帯保護率(%)

  全国  13.83%

1 東京都 18.87%

2 徳島県 11.12%

3 埼玉県 9.00%

~        

10 福岡県 7.10%

~       

20 神奈川県 3.93%

~       

30 宮城県 3.00%  

~       

46 石川県 0.90%

47 富山県 0.61%

(藤原千沙「地方における母子世帯の暮らしと生活保護ー自動車の保有・使用の視点から」『月刊自治研』2017.7  vol59 no.695)

 同じ制度を利用して、31倍もの差がある。   

 政令指定都市でみると、京都市は35.48%の世帯保護率であり、浜松市は8.15%の世帯保護率である。

 東京都と富山県の差は30倍以上の差となっている。もちろん、生活保護運用における地方格差が影響しているだろう。しかし、それと同時に、自動車保有の問題が大きく作用していると思われる。

 政令指定都市で、保護率の高い地域は公共交通が発達した地域なのである。

 同じ制度であるにもかかわらず、これほどに地域格差が出ていいのだろうか。

 今すべきことはこの問題について、データをさらに集めながら、生活保護の自動車保有の問題を正面からとりあげるべきなのではないだろうか。

 この10数年、生活保護制度をめぐる問題は、政治的にも社会的にも大きく注目されてきた。

 生活保護を受けられる規準以下で暮らしている、多くの人々が、生活保護申請をためらうようになっている。わたしたちは、相談の中で、Aさん以外にも生活保護をためらう人々と会い、まさに命の危険を感じながら、支援を続けてきている。

 その理由をわたしは扶養照会の問題、自動車保有の問題、水際作戦の問題、スティグマの問題の4つだと指摘してきた。(拙著『ひとり親家庭』岩波書店、2014年)しかし、私自身、都道府県、政令指定都市の世帯保護率の格差が31倍にもなっていることを知らず、正直驚いている。

 今、生活扶助規準や母子加算の削減が提案されようとしている。重大な問題だ。

 同時に、地方から、聞き取れないような声で相談してくる、Aさんのような人の窮状にも、目を向けるべきである。

 自動車保有の問題は見過ごしてはならない大きな影響を与えている。

※Yahoo!ニュースからの転載

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