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トランプ大統領の実績伝えぬメディア

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トランプ米大統領 Photo by Gage Skidmore

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

【まとめ】

・トランプ氏が大統領に当選して1年1ヵ月、就任してから11ヵ月が過ぎた。

・日本主要メディアの「トランプ政権は崩壊」との予測が外れたのは、反トランプ勢力の米主要メディアや民主党側の発信に依存したため。

・トランプ大統領の北朝鮮政策、中国政策に米国内に反対や糾弾は少ない。経済も好調だが、米メディアは伝えない。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては写真の説明と出典のみが表示されることがあります。その場合はhttp://japan-indepth.jp/?p=37386でお読みください。】

2017年はまだ終わるには間があるが、ここらでこの1年のドナルド・トランプ大統領の実績の総括を試みてみよう。アメリカ政治史でも究極の型破りの指導者として異色の特徴を刻むトランプ氏が大統領に当選してすでに1年1ヵ月、就任してからは11ヵ月が過ぎた。

混乱や動揺が続いたトランプ政権はなお内外の激しい逆風を浴びながらも国内の従来の支持層を堅く保って、公約に掲げた政策の多くをしたたかに実現しつつある。この数日ほどをみても公約の大型減税案を議会上下両院の了承をほぼ得たようだ。

その直前にはトランプ大統領は中東問題に関連して「エルサレムはイスラエルの首都だ」という公式宣言をして、イスラム諸国から激しい反発を浴びた。だが当のアメリカ国内では珍しく超党派の賛成を集めた。その一方、上院議員選のアラバマ州での特別選挙ではトランプ大統領みずからが支援した共和党候補が敗れた。同州は本来、共和党の強力な地盤があったから、トランプ氏にとっては手痛い挫折だった。こんな現況の揺れをみても、いかにもトランプ氏らしいところだといえよう。

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▲写真 エルサレムの嘆きの壁を訪れたメラニア・トランプ米大統領夫人 2017年5月22日 flickrThe White House

さて日本の識者とかアメリカ通とされる人たち、さらには主要メディアの多くの言に従えば、トランプ氏はもうホワイトハウスにはいないはずである。日本の主要メディアでは「トランプ大統領は退任へ」「トランプ政権は崩壊」という予測が大手を振ってきたからだ。「トランプ大統領は『ロシア疑惑』で弾劾され、辞任する」という託宣も頻繁だった。

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▲写真 ジャレッド・クシュナー米大統領上級顧問 flickr Chairman of the Joint Chiefs of Staff

だがそんな事態は起きてはいない。トランプ大統領は辞任どころか、ますます活発に動いている。この種の誤断の原因はアメリカ政治の構造の基本への理解不足でもあろう。だがそれより大きな原因は日本側のメディアなどが米側の反トランプ勢力の主要メディアや民主党側の発信に依存したことだろう。

ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、CNNテレビといった年来の民主党支持のメディアはトランプ政権の負の部分だけを集中的に、拡大、誇大という形で報じる。円滑に進む側面には光をあてない。トランプ政権の政策も全般に客観的には伝えないという姿勢がほとんどなのだ。

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▲写真 ニューヨークタイムズ本社 出典:Wikimedia

さてそのトランプ大統領の動きで日本にとっての優先関心事といえば、やはり11月の日本はじめアジア各国の歴訪だろう。ワシントンではこの歴訪を共和党側が明確な成功と総括する一方、民主党側でも意外と批判は少ない。この歴訪でトランプ政権の対アジア政策の骨格が形をみせた。

その特徴の第一は日米同盟の重視の再確認である。トランプ大統領はとくに安倍晋三氏への信頼や期待を強調した。個人同士の相性という次元を越えての日米間の緊密な協力を訴え、目前に迫る北朝鮮の核やミサイルの脅威に対してもまず日米連帯を力説した。

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▲写真 赤坂迎賓館で鯉の餌やりをする日米両首脳 2017年11月6日 出典:首相官邸

第二は「インド太平洋」戦略の宣言である。

アメリカの従来の安全保障面での東アジア政策をインドにまで広げ、東南アジアやオーストラリアという民主主義国家の有志連合により「国際規範の順守」や「法の支配」「人権尊重」を拡大するというのだ。そのホコ先は明らかに中国だった。

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▲写真 日米合同演習 出典:Commander, U.S. Pacific Fleet

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