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「大阪ダブル選挙~明治維新に匹敵する改革を大阪から」

大阪ダブル選挙
橋下氏、松井氏が初当選
道州制
自民党道州制勉強会を設置へ

橋下氏には、明治維新に匹敵する改革を期待したい

大阪府知事選と大阪市長選が27日、投開票され、市長選は前府知事で地域政党・大阪維新の会代表の橋下徹氏、知事選では同会幹事長で前府議の松井一郎氏が初当選しました。 同じ地域政党が知事・政令市長の両ポストを得るのは初めてで、支援した候補が敗れた既成政党には痛手となりました。 これは非常に面白い結果になったと思います。私も嬉しく思い、橋下氏に電話でお祝いのメッセージを送りました。 折り返し橋下氏から電話があり、次のようなことを述べていました。

・大阪都を道州制につながる第一歩にするスタートラインに立てた

・一方で、既存権益との戦いは想像以上に大変だった

・権力の再配置を伴うということは国の形を変えること

・大阪という小さな地域でみても、それは大変なエネルギーが必要

・徳川幕府を倒した明治維新のエネルギーには驚くばかり

・どこまでできるか分からないが、精一杯、道州制まで見据えて

取り組みたい

橋下氏は非常に勉強熱心で、私の著作も読み込んでくれています。今回など選挙期間中にも関わらず、拙著「訣別―大前研一の新・国家戦略論」もすぐに目を通していたようです。

実際、大阪で会う機会がある時には、直接アドバイスをしたり、質問に答えたりしています。

私も大いに期待しているところですが、今の橋下氏はやる気満々でしょう。そんな橋下氏に今アドバイスをしていることは、「民主党と一緒にやるべきだ」ということです。

逆に民主党の立場から見ても、そもそも民主党は「道州制」を提唱していたわけですから、ここで橋下氏の足を引っ張るのは、非常に格好が悪いと思います。

大阪都が実現すれば、基礎自治体の作り直しが必須でしょう。そして大阪都が道州ということになるなら、京都もまとめていく

べきです。このあたりまで見えていれば、民主党として取り組む価値があることが分かると思います。

道州の原型・基礎自治体の原型を作り、役割分担を行い、中央の権限を付与していく。これらは、もともと政治主導で行われていたものですが、それを大阪都に渡すことが重要でしょう。 私は橋下氏にも民主党にも、両方に対してこの点を説明しています。

然るべきタイミングが来たら、両者が手を組む「構想」を形にしてみたいとも思っています。実は来年発売されるプレジデント誌には、「大阪都に民主党が乗っかって」何をするべきかという記事を私が寄稿しています。

先日発表した福島第一原発の事故調査に比べれば、この手の構想をまとめることは、私にとっては容易なことです。

また橋下氏に注意していただきたいと思っているのは、「無駄な喧嘩をしない」ということです。

大阪府知事の時にも、教育委員会や関西電力とぶつかったりしていましたが、私から見ると「不必要な喧嘩」だと感じます。

喧嘩にエネルギーを奪われることなく、「道州制の実現」のため基礎自治体を作り、新しい国の原型を作る、ということを最大の目的に定め、そこに1点集中して取り組んでほしいと私は思っています。

それが実現されれば、橋下氏の言葉を借りれば、「明治維新に匹敵する」と言ってもおかしくないでしょう。ぜひ頑張ってもらいたいと思います。

道州制は産業基盤であり、戦略事業ユニットとして捉えるべし

自民党の茂木敏充政調会長は、30日、「政令指定都市のあり方や将来の道州制の可能性も含め、地方制度の検討が必要だ」と述べ、大阪都構想も視野に地方制度に関する検討会を党内に設置する考えを示しました。

茂木氏はマッキンゼー出身で、「都会の不満 地方の不安」という著作も出している人物です。

道州制についてもよく理解している人物だと私は思います。

今まで道州制という言葉を使っていたのは、次のような人たちです。

1つは、石原慎太郎東京都知事が言うところの「外形標準課税」という構想において、道州制という言葉を使っている人たちです。「外形」というのは大きさで決定されるため、東京都はたくさん徴収できても、地方では同じようには行きません。

そこで地方同士でまとまって「道州」という形を取ることで、一回り大きな規模を目指そうと考えています。

もう1つは、市町村合併の後は「都道府県合併」に行き着くのがコストダウンの観点から見て必然であり、その意味で道州制という言葉を使っている人たちです。

残念ながらどちらも私が言うところの「道州制」とは異なります。私が提唱している「道州」とは明確な「戦略事業ユニット」です。

産業基盤を作り上げ、その産業から生み出される付加価値に対して課税します。そして同時に、世界から企業・人・資金・情報を呼び込みます。これらを実現するための戦略単位として、道州制を考えるべきだと私は考えています。

一般的に議員の人たちの頭にあるのは、出身母体に利益を誘導するがほとんどでしょう。その考え方では、私が提唱する「道州制」には絶対に行き着きません。茂木氏としても、このあたりをどうまとめていくのかは大変なところでしょう。

実際問題として全国の地域が一斉に目覚めるということはないでしょうから、私はまずは「変人市長」の地域でどんどん革新的な動きをしていくべきだと思っています。

それゆえ、大阪都構想を打ち出している橋下氏には一層期待を抱いてしまいますし、自民党にも民主党にも大阪都構想という大きな波に乗ってもらいたいところです。

今回の選挙では自民党も民主党も、橋下氏の足を引っ張っていましたが、

今後はそんなことは絶対にして欲しくありません。

自民党も民主党も、大阪を政争の道具に使うのではなく、「道州制」を実現するための重要な第1歩という認識を持ってもらいたいと思います。

大阪都構想が実現することで、さらに道州制へと発展し、日本の国家としての形を新しくしていく、そんな構想を抱かずにはいられません。橋下氏、茂木氏にはぜひ明治維新に匹敵するような改革を押し進めてもらいたいと期待しています。

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