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シリアにいらだつアラブ諸国、トルコ

混乱と殺戮の続く中東のシリアが正念場を迎えているようだ。右は、アフリカ、中東で民主化の風が吹き始めた2011年2月にブログに載せた表で、このときリビアはまだ紛争前だった。 2011年2月~アフリカ、中近東、反体制運動と シーア派スンニ派(1)  チュニジア、エジプト、リビア、イエメン、バーレーンなど、民主化や、独裁体制、王政への民衆蜂起は止まらない。シリアを理解しようと思えばかなり複雑で、歴史的には少なくても第一次世界大戦まで遡(さかのぼ)らなければ理解できず、ニュースや断片的な解説だけ読んでも中々理解できないし、ニュースの視点のずれも気になる。イエメン対立激化 市民生活に不安も

シリアの地理的位置、近隣との歴史的背景、民族の分布などを把握して、やっと現状が理解できる。できるだけ簡単に、自分なりのまとめを書き残しておく。

現在のシリア領は1918年オスマン帝国(現在のトルコ一帯を支配)から独立、第一次世界大戦でフランス統治になり1946年フランス植民地から独立し、1948年イスラエルが建国、同時に70万人とも言われるイスラエルを追われたアラブ系パレスチナ人難民流入問題が発生し、同じイスラム教系ということも有り大量の難民をシリアは受け入れるが、それはイスラエルとの民族、宗教対立、国境問題を生み、1968年に第3次中東戦争でイスラエルにゴラン高原を占領され今に至っている。政権は1971年の ハーフィズ・アル=アサド大統領から2000年、息子のバッシャール・アル=アサド大統領に引き継がれ、すで
画像を見るに40年の長期政権になっている。バース党の一党独裁で、対イスラエル政策で徴兵制を敷き、アラブ世界ではエジプトに告ぐ軍事大国で、民主化路線を一時進めるも、同じバース党のイラクのフセイン政権が崩壊すると政権維持に危機感を感じ、反政府側を弾圧、投獄し、処刑を繰り返している。

シリアは大きく二つの民族、領土紛争を抱えている。ひとつは国内でイスラエル占領地への帰属を求めるパレスチナ人問題で、紛争回避のために国連監視地域になっているイスラエル占領地ゴラン高原がシリア領地だったこともあり、シリアはパレスチナ人を全面支援し、パレスチナ人組織ヒスボラの国内活動も認めている。解決しない中東和平、だが歴史的進展も

もうひとつが、シリア北部のクルド人問題で、宗教(同じイスラム教でもシリアのスンニ派とは違うシーア派系アレウィー教が多いとも言われる)、言語の異なるクルド人は長年弾圧され、クルド人が国民の3分の一を占める隣国トルコからの独立運動とも重なり、シリアのクルド人差別から長年衝突を繰り返している。リンク先を見る最近は、トルコ内でクルド人が反トルコ政府テロを行い、トルコ軍に追われたトルコ領内のクルド人兵士がシリア領に逃げ込む事が頻発している。また、最近のシリア国内の政情不安から、シリア国軍から離脱したシリア兵士がトルコ領内に逃げ込み、反シリア武装組織「シリア自由軍」を結成しており、その数は1万人とも言われ、トルコ領へのクルド人難民の増加と、それがトルコ領内の反トルコ政府クルド人組織と一体化することをトルコ政府は警戒している。このため、シリアと同じパレスチナ人支援国家、反イスラエル的でありながらトルコは、現シリア政権の政権交代、部族弾圧の中止、民主化への改革を強く要望し、現政権を強く非難している。図の黄色い部分がクルド人の分布 
トルコからの分離独立を叫ぶクルド人武装組織PKKの拠点は、地図の赤い部分で、イラクと接しているため、トルコ軍はイラ クまで越境して空爆している。同じことはシリア領内でも起きている。クルド人との問題は、シリア紛争にトルコを巻き込む可能性が高く、トルコもシリア北部 は歴史的にトルコ領だという意識があり、メディアもこの辺にもっと注目すべきだろう。 トルコ、クルド紛争再燃*トルコはまた、イスラム教国でありながらNato加盟国で、親米でもあるが、これに圧力をかけているのが反米イランとも言われ、過去にはクルド人対策でシリアと北部で合同演習も行っていた。西側とイスラム圏の中間と言う、政治的、地理的に微妙な位置にある。

同じアラブ系でありながら、アラブ連盟も強く現アサド大勢を非難しているが、これはシリアが第二のリビアになる事を警戒するもので、欧米、Nato軍が乗り込むようなことになればイスラエルが勢いづき、中東戦争の再燃が懸念され、その場合、アラブ諸国が戦火に巻き困れる可能性が高いからだろう。本音は、アサド大統領を失脚させてでもシリアを安定化したいはずで、すでに2011年12月1日にはシリア北部で離反兵の空軍基地襲撃(8人死亡)も起きている。時間がたてば内戦の可能性すらある。北部で離反が多いのは、北部出身のクルド人兵士などが、軍隊内で差別的な待遇を受ける事とも関係しているかもしれない。
画像を見る
シリア一国で、トルコ、レバノン、イスラエル、イラク、ヨルダンと国境を接し、支援国には反米、反イスラエルのイランが控えていて、イラン経由で北朝鮮製の武器が供給されている。 これがスパイの7つ道具 レバノン   
シリアの不安定はあまりにもアラブ諸国に影響が大きく、何かあれば多くの産油国も巻き込まれる可能性が高く、それは日本を含む西側諸国、アジア圏の経済へも影響する。

2011年12月7日のABCへのインタビューでアサド首相は「自分はかつて民衆を殺せなどと命令していない」と弁明し「軍隊は政府のもので、大統領のものではない」「自分は大統領で、国は自分のものではない」と奇妙な言い訳を語っている。国連報告で、3月からの犠牲者は4000人以上と言われ、あまりにも犠牲者が多く、言い訳はあまりにも遅い。参照記事
スーツ姿がアサド大統領で、その周りは勝手に国民を殺す軍隊の責任者らしい、、。ありえない話だ。全ては大統領の自分ではなく、軍部の独断、またはバース政権党首脳部の指示だと言いたいのだろうが、無能で無責任な、公務員並の大統領と言うしかない。

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