江戸川放水路のカキ殼投棄問題について市川市も何ができるのかを考える必要がある
今月5日、「河川敷にカキ殻100トン! 中国人投棄、転倒でけがも 市川の江戸川放水路」との報道がYahoo!ニュースにも掲載され大きな話題となりました。この報道を受け、市川市民として、また市川市で政治活動を行なって来た者として、恥ずかしながらまず思ったのが、「市川市でカキが取れるのか!」という驚きでした。
次に感じたのが、「なぜこんな事になっているのか。何とかならないのか」という思いでした。
まかりなりにも市川市長選挙に挑戦した者として、市川市におけるこうした問題が報道された事を受け、問題を正しく認識した上で、市としてどういった解決策があり得るのかを考えて行く必要を感じました。
「メディアで報じられたから対応するのか」との指摘をする方もいらっしゃるかもしれませんが、今後も行政課題や政治課題は、常に想定している事ばかりが起こるわけではありませんし、むしろ想定外に出て来た課題に対してどう対応して行くかは重要な事だと思っています。
今回、現場となった江戸川放水路河川敷の場合、その管轄が国交省江戸川河川事務所となるため、市川市としてどういった関わりができるのか、また報道ベースでしか情報がなかったため、近隣住民も含めた関係者の皆さんが現場でどういった事を思っていらっしゃるのかなどを確認した上で、現状と課題を把握した上で、解決策の可能性を考えていこうと思いました。
早速、国交省江戸川河川事務所と市川市役所の担当者にヒアリング
早速12月8日、国交省江戸川河川事務所と市川市役所の担当者にヒアリングを行いました。そもそも「江戸川放水路のカキ殼投棄問題」とは何かという事ですが、報道でもあるように、市川市内を流れる江戸川放水路河川敷に数年前からカキを採りに来る中国人が増え、以降、河川敷が投棄された大量のカキ殻で埋め尽くされるようになってしまったというものです。
この事で、水辺で親しむ子どもが転んでカキ殻で怪我をするなどといった事例がいくつも出ているそうです。
河川敷は捨てられたカキ殻で約1kmにもわたって埋められており、マスコミ推定では100tにも上ると報道されています。
問題点について、整理をしていきたいと思います。
まず1つ目の問題点として、先述のように既に現状において、捨てられたカキ殻によって怪我人が出ている状況を改善する必要があります。
この江戸川河川敷は「自由仕様」の原則が取られており、子どもたちを含めて近隣住民の皆さんが自由に使われている実態があり、こうした際に怪我をする事がないようにという事で行われたのが、今回マスコミ報道のきっかけにもなった12月4日の国と市、地元自治会などからなる「江戸川放水路水面等利用者協議会」のメンバーなど約70人で行なった河口から約1kmの同市妙典の河川敷でのカキ殻の回収作業でした。
地元住民の要望を受けて、国交省江戸川河川事務所や市川市も協力しての試みだったわけですが、河川敷に積み重なったカキ殻をスコップなどで取り除き、撤去したカキ殻の総量は約30tにも上ったと言います。
あらめて、こうした地域課題の解決は地域住民の皆さんなど、心ある市民の皆さんに支えられているんだなと感じると共に、今回の取り組みにボランティアで協力された皆さんには本当に敬意を評します。
この事で、子どもたちを含めた利用者の安全という意味では、一定の成果があったものと思えますが、一方でこの「江戸川放水路のカキ殼投棄問題」とは利用者の安全が確保されれば良いという問題だったのかと考えなければなりません。
また、この報道があった際に、不法投棄の問題解決をするのに「税金が使われたのではないか」とも思いましたが、国交省も市川市も今回の一連の撤去作業には、あらためて税金を使ったという事はないとの事でした。
厳密に言えば、国交省の職員や市川市の職員の人件費や、備品利用、また今回はボランティアによる実施という事で、約30tものゴミ処理をクリンーンセンターは無料で受け入れており、国交省単体で行なった場合であればゴミ処理は有料だった事などをどう位置付けるかなどという部分はあったりはします。