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朝鮮王朝儀軌が日本にある理由

『朝日新聞』の12月8日付けの記事「朝鮮王朝の実録作るため 儀軌保管の理由研究」が大変興味深かったのでこれについて少し。

朝鮮王朝儀軌が宮内庁にある理由

これは6日に韓国側に引き渡された朝鮮王朝儀軌は何故宮内庁に保管されていたのかについて、佐賀大学の永島広紀準教授らの研究を元にして記事にしたものです。それによると、「韓国では、日本が韓国の貴重な文化財を戦利品として略奪したとのイメージが残る」が実態はそうではなく、きちんとした目的があり集められたものだということです。

つまり、当時朝鮮半島は日本の植民地となっていたが、「王族は日本の皇族に準じた扱いを受けており、宮内省は、朝鮮の王朝の実録を編纂する必要があった」ので、儀軌が必要だったというわけです。なおかつ収集にあたっても、四部以上残っており日本に渡しても差し支えないものを1部送ってくれという配慮を示した上で、朝鮮総督府に対し無償で譲渡するように依頼していたということです。

確かにこうした理由があるのであれば、宮内庁に保管されていたのも納得です。もし誰かが略奪してきたのなら最終的には保管の問題などがあるので、博物館などに保管されるのが普通で、今更の感想ですが多少の違和感があったからです。

これを報道したのが『朝日新聞』ですが、何を隠そう私自身この記事を見るまで、「日本が韓国の貴重な文化財を戦利品として略奪したとのイメージ」で今回の返還を見ており、当たり前だと思ってよく調べもしなかったことについて反省すると共に、こうした冷静な記事を掲載したことに敬意を表します。

情報戦

もちろん、私はかつての日本の植民地支配を正当化するつもりはありません。しかし、責められるべき行為をしていない事案についてまで、類推で批判をすべきではないと考えます。

日本には「沈黙は金、雄弁は銀」という諺があり、黙っていることを良しとする傾向があります。しかし、歴史は勝者が作るもので、勝者が広めた歴史が真実となるのが現実です。つまり最後は情報戦で如何に自分に有利な情報を広めたかとなるわけですが、どうもこの点日本は弱いように思います。

韓国が日本海の名称問題について多額の金をつぎ込んで広く海外で宣伝を行っているのとあまりに対照的です。それと情報戦を行うに当たって必要なのは、最終的には相手を論破することですが、当時者間でそれはなかなか難しいので、第三者に対して、自分の言っていることがより真実らしく見える情報を流すことです。そして第三国を味方につけて、当事者間の争いを優位に進めることが上策と考えます。

「在日」問題

こうしたことはいわゆる「在日」と呼ばれる在日韓国人、在日朝鮮人問題も同じです。これも以前結構心に引っかかっていた問題で、イメージとしてこういう方々は戦時中日本が強制連行を行い無理矢理日本に連れて来られたというイメージがありますが、日本の敗戦後帰国できたはずです。

そうすると何故、これほどの人数が日本にいるのかということが不思議だったのですが、野村進氏の『コリアン世界の旅』によると、その最大の理由は朝鮮戦争で、戦争に伴う経済的理由により日本での生活を選んだという話を読んだことがあります。



私自身こちらの方について数字を確認したことがあるわけではないので、これがどの程度確かな話かわかりませんし、むろんだからといって強制連行を正当化するつもりはありません。また、戦時中に日本につれて来られたことにより朝鮮半島での生活基盤をなくしたという彼らの主張もわからないではありません。

しかし、かつての米ソ冷戦時代に相手の実態がわからないまま、イメージだけで物事を見たことから恐怖が拡充されたように、イメージは拡大再生産されるのが世の常なので、いろいろな意味でイメージだけで物事をみるべきではないと考えたが故の今日のエントリーです。

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