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  • ヒロ
  • 2017年12月10日 10:00

日本に英雄はいるのだろうか?

来年の大河ドラマが「西郷隆盛」であることから書店にはこんなに西郷さんの本って売っていたのかね、というほどずらりと並んでいます。その西郷どんは薩摩の人にとってはヒーローとされます。鹿児島空港の裏の西郷さんの銅像は大仏と見間違えるほど巨大なものですし、商売のネタとして多いに活用しているという感じも致します。

では西郷どんがヒーローだったか、と言えばこれに同意する方はどれぐらいいるでしょうか?もちろん私はNOであります。西郷さんについては様々な著者の本を読んでいますが調べれば調べるほど性格が読めない人物で体の大きさの割に妙に芯が細いというか、人に説得されやすい持つところがあります。また、彼の場合、人生の前半と後半で大きく変貌してしまったところが英雄候補にすらなり損ねた感があります。

もう一つは西郷どんの歴史的偉業の一つとされる江戸無血開城ですが、これも別に勝海舟と巷でいわれるような格好の良い談義で決めたわけではありません。英国のパークス駐日公使が勝を恫喝し、西郷が江戸を攻め、徳川を殲滅させるなら英仏でそれに向かい立つという背景があったのであります。この話はもちろん、教科書や一般の書籍には出てきません。

人生後半で英雄になり損ねた人物は他にもいます。豊臣秀吉は個人的にはヒーローに一番近い人物だったと思っていますが、やはり明(中国)を征服するために朝鮮へ出兵したのが失敗でした。野望が貪欲に変わった瞬間です。その点では西郷も征韓論で人生を棒に振るのですが、どうやら朝鮮は日本にとって鬼門なのかもしれません。

人生後半でミソをつけたのは源義経もそうでした。兄の頼朝に従い、源平合戦では大活躍したものののちの兄弟の争いで義経は岩手の平泉で人生を終えます。

こう考えると日本には英雄になり損ねた人材は何人かいるのですが、死ぬまでその本心を貫いた人物がむしろ減点がなくて高評価になりやすいかもしれません。織田信長はその残忍性が問題視されますが、群雄割拠の時代に制覇を進めたという点では英雄の候補でしょうし、坂本龍馬は幕末の騒動で大きな活躍をし、非業の死を遂げた点でもその候補の一人であります。

個人的には逆立ちしても徳川家康と戦争時代の人物は英雄候補とは考えることはできません。

案外、面白いな、と思うのは渋沢栄一で地味ながらも現代の日本経済の基礎を作った人物として英雄候補なのだろうと思います。氏が生きた時代は激動のさなか。徳川慶喜の弟、昭武とパリ万博に行き、1年半じっくりと世界を見てきたという点では明治維新の頃、大挙して欧米に遊学にいったその先陣であります。日本でクーデターという知らせを受け、日本に戻ったら「浦島太郎状態」の中、大蔵、そしてそこを退官し第一銀行をはじめ数多くの企業、学校の立ち上げに尽力し、今の日本の基礎を築いています。

ヒーローとはどうしても大名や将軍、政治家というところにスポットが当たりますが、案外自分だけのヒーローもありなのだろうと思います。その点で、日本人が共有できる英雄がいないのはこれまた日本らしさの表れだろうとも言えるのでしょう。

たぶん、全ての人がそれぞれ思うヒーローがいる、それが答えのような気がします。

では今日はこのぐらいで。

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