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「受信料徴収ライセンス」を得たNHK

■「公平」ではなく「悪平等」なNHK受信料

 NHKの受信料契約を巡って訴えを起こしていた男性が敗訴し、最高裁判所はNHK受信料の支払い義務を認める判決を(初めて)下した。

 ある意味、予想していた通りの判決だったとはいえ、1人の男性に対する判決が、実は全国民に適用されてしまう可能性を有しており、“悪しき前例”と成り得るこの判決に危機感を感じた多くの国民は非難囂々となり、特にネット上では大きな騒ぎになっている。

 最高裁の「お墨付き」を得たNHKは、007の「殺しのライセンス」ならぬ「受信料徴収ライセンス」を得たことになる。果たして今後、NHKの受信料徴収システムにどのような変化が生じることになるのだろうか?

 私も嫌々ながらNHKの受信料を支払っているので、今回の訴えを起こした男性の気持ちも、不満を抱いた多くの国民の気持ちも理解できる。NHK側は「公共」や「福祉」という言葉とともに「公平」という言葉をよく用いているが、現状のNHKの受信料徴収システムは、どう考えても公平では有り得ず、お金を支払わずにバンバン観ている人の視聴料を、ほとんど観ていない人が代わりに支払っているような不公平な構図になっている。

 「公平」とは、テレビを観た時間に応じて視聴料を徴収することであり、観る観ないに関係なく等しく視聴料を徴収することではない。もっとも、それすら満たしていないのだから、公平云々と言うよりも、単に悪平等なシステムだと言った方が正解かもしれない。

■「公共団体」が「権力機関」に見える不思議

 批判意見の中には、マスコミ(NHK)と司法(裁判所)の癒着を疑っているような意見もみられる。しかしこれは、「癒着」と言うよりも、流行りの言葉で言えば「忖度」に近いのではないかと思う。日本では不条理だということが分かっていながらも変えることができないと思い込まれているものが多い。そのほとんどは、戦後すぐに創られた社会主義システムに依拠しているが、NHKもその範疇に入る組織でもあるので、裁判所自体が「護憲派」ならぬ「護派」になってしまっているということなのだろう。

 おそらく、現状のNHKの受信料システムに不満を抱き疑問を感じている人は日本に1億人以上いることだろう。民主主義が多数決の原理で成り立っていると仮定するなら、今回の最高裁の判決は、到底、民主的な判決とは言えないことになる。まともな民主主義国なら、大規模なデモが発生してもおかしくないところだが、幸か不幸か、そういったことも起こらない。仮に起こったとしても、マスコミが「報道しない自由」を行使すれば、無いことになってしまうので、それが解っている人は大人しく黙っているだけということになってしまう。

 皮肉なことに、ネットの掲示板等が国民のガス抜きの場と化しているとも言える。せいぜい、NHKに対する批判的なコメントを見て溜飲を下げているような状態だと言えるのではないだろうか。

 そう考えると、NHKと日本国民との関係は、中国共産党と嫌々ながら付き合っている中国国民との関係に似ていると言えるのかもしれない。国民にとっての「公共団体」が「権力機関」と同じように見えてしまうのだから、何をか言わんやである。

 「最高裁判所」というのは、建前上、公明正大な判決を下す正義の機関ということになっているが、今回のような国民から不平不満ばかりが出てくるような無理筋の判決だと、国民は一体、何を信じていいのか分からなくなってしまう。少しは救いのある玉虫色の判決にできなかったのだろうかと悔やまれる。

 現在、不祥事で騒がれている角界(相撲界)同様、「建前」、「忖度」、「八百長」、「出来レース」、「茶番」、そんなマイナスなイメージだけが日本社会全体を覆っているかのようだ。

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