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「小さな肯定、小さな支持」を積み重ねる時代へ

 少し前に「不支持が力を持つ時代」というエントリを書きました。昨年7月の参院選のときに書いたものです。私は、こんなことを言ってました。
 代案のない否定。

 確かに。代案のない否定が集まっても、とりあえずそれ、やめとこ、ということしか決まりません。それでも時間は流れるので、じゃあどうする、と瀬戸際まで追いつめられて、時間切れというカタチでものごとが決まっていく。その積み重ねの総体が時代というものだとすると、こんな不確実なものはないですよね。

 多かれ少なかれ、我々を覆っている時代の気分って、そんな感じかな、とも思ったりします。とりあえず今はやめとこ、という気分が、今の停滞をつくっているのかも。
 今回の内閣不信任案の件でも、そんなことを思いました。私はあまり政治に言及するタイプではありませんし、政治に詳しくもありません。けれども、なんとなく今回の件が嫌で嫌でしょうがなかったのは、そんな「不支持が力を持つ時代」を象徴する出来事だったからかもしれません。被災地復旧への継続的な支援が必要で、復興のフェイズにさえ入っていない今も状況においてもなお「不支持こそが力」と考える、その信の絶望的な深さを感じました。
 宮城県の被災者からも、疑問の声があがる。仙台市若林区の荒浜地区から若林体育館に避難している農業、安達嘉博さん(77)は「政争によって、被災者支援や復興に向けた政策の策定が進まなくなる。津波で家を流され、塩害で農業もできなくなった。震災前のように暮らせるよう政府に期待したいのに、またごたごたが始まるのか」とうんざりした表情で話した。

内閣不信任案:「被災地に目向けて」怒りとあきらめの声 - 毎日新聞
 もちろん、このような声がすべてとは言いません。ただ、ほとんどの人は、これに近い気持ちをいだいたのではないかとは思います。感覚的に、としか言えませんが、少なくとも過半数は超える人たちはそう思っているでしょう。なぜ有権者のそんなインサイトを読めないかというと、要するに内向きだからでしょうね。自分たちが属するコミュニティの外の人たちの気持ちが見えてないんです。

 たぶん、「不支持が力を持つ」の裏側には、「圧倒的な支持」への願望があるのだと思います。属するコミュニティから見える人たちの気持ちこそが民意である。そんな確信が、ある程度はあったのでしょう。けれども、今はそんな時代ではないです。そこから見える人たちは、マスではない。

 昨年の7月に書いたエントリは、こう続いています。
 今の時代に、大きな肯定は似合わないのでしょう。大きな肯定は、些細な否定でいとも簡単に否定に変わります。小さな代案をひとつひとつ提示して、小さな肯定、小さな支持を積み重ねていくこと。小さな。それは、具体的に、ということでもあります。

 小さくあれ。具体的であれ。積み重ねろ。
 政治に限らず、なんでもそうだと思うのですが、時代はそんなふうに変わって来ていると思います。だからこそ、これまでのマスが見えやすかった時代のやり方では駄目だと思うんですね。これは、自分にも言い聞かせたいことでもありますが、時代の変わり目は、やっぱりインターネットだと思います。もっと言えば、それはきっと、ブログでしょう。

 twitter、Facebookの時代にブログかよ、と思われるかもしれませんが、やっぱり変わり目は、ブログにあったと思うんですね。ブログが一般化して、時代は変わった。そう思います。

 以前からあった2ちゃんねると個人サイトではなく、ブログ。その意味するところは、独立した個の発信が簡単になったという、その1点。それぞれの独立した個が、発信する個に変わったということ。個の発信が特権ではなくなったということ。

 このことは、小さなことのように見えて、とてつもなく大きなことだったのだろうと思うんですね。このことは、ブログをやっているやっていないに関わらず、社会が、簡単に個が発信できるシステムを構築した、ということです。今から思えば、この社会システムの変化は、相当なものだったのだと思うのです。

 小さくあれ。具体的であれ。積み重ねろ。

 その支持のプロセスの変化は、ブログをやっている人は実感できると思います。そういうことからでしか支持は生まれない、そんな時代であることは、ブログをやっていれば、体感できるはず。その意味合いにおいては、twitterはミニブログという位置付けができるし、Facebookはフレキシブルで高機能なブログとも言えます。

 ブログがはじまって10年。その社会の変化は、より確定的な変化として、インターネットの外の世界にも、よりわかりやすいカタチで現れてくるはずです。もちろん、小さな視点では、ブログがもたらしてきた変化への感受性は、ある閉じられたコミュニティにおける感受性である、とも言えなくはないないですし、その強い感受性とこれまでのやり方との間に葛藤がないと言えば嘘になりますが、でも、どちらに賭けるかと問われれば、やはり、変化に賭けるしかないだろう、と私は思います。

 いろいろ悩みは多いとは思うけれど、時代は、「小さな肯定、小さな支持」を積み重ねる時代へと、より激しく動き始めるはず。今、あらためて、そう思います。

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