- 2017年12月05日 08:09
【読書感想】定年後の楽園の見つけ方―海外移住成功のヒント―
2/2「世間では、最初の結婚は判断力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、再婚は記憶力の欠如というそうですが、わたしの場合はすべて当てはまりますね。
でもこの国では通じても、日本では奇異な目で見られるだけですね」
「いやいや野田さん、あなたにはピカソのように、常識の壁を破った眩しさがありますよ。まさに”美は乱調にあり”といった光景です」
わたしはそう返答したのだが、実際、ノーマルでないものだけが放つ、妖しい輝きを認めざるを得なかった。
この「お追従」は、読んでいて不快ではあったのですが、本人を目の前にして、あんまり厳しいことも言えませんよね、実際は。
僕自身、「こういうこと」への嫌悪感とともに、羨ましさを自分の中に見出して、考え込むところもあるのです。
この本のなかでは、こういう「現地の若い女性と再婚した例」だけでなく、日本に出稼ぎにきていたフィリピン人女性を追いかけてきて、持ってきたお金を食いつぶされてしまった例もあれば、夫婦で移住してきて、うまく現地に適応している例なども紹介されています。
スペイン南部のマルページャという町に住んでいる平岡さん夫妻は、こんな生活をされているそうです。
ちょうど朝食を食べだしたとき、NHKの朝ドラマ『ゲゲゲの女房』がはじまった。
番組はロンドンを経由してくるが、日本のニュースもリアルタイムに入ってくるから、夫妻は日本の茶の間にいる感覚である。
わたしが学生だった頃は、サンフランシスコやマドリッドの貸し切りの映画館へ、日本大使館が主催する1ヵ月遅れの紅白歌合戦を見るために、大勢の日本人たちが集まってきた。あの時代とは隔世の感がある。平岡さんたちは、日本の不動産会社がオーナーになっているコンドミニアムの一角を、月々の家賃を日本円に換算して約5万円で借りているが、広いリビング兼キッチンが付き、寝室もふたつ付いている。
中庭にはきれいなプールがあり、波打ち際までは歩いて50メートルの距離。生活費は車の維持費も含めて月に15万円から、多い月で20万円ぐらいだそうだ。「外国暮しのなかで、毎日の食料品を買い出しに行くのは、地元の人たちとの交流もあり、楽しいことのひとつです」
いまや、海外に住んでいてもネット経由で日本語のコンテンツに触れるのは簡単ですし、本もKindleで手に入ります。
すぐに会う、というわけにはいかないけれど、メールやスカイプで知り合いにも連絡がとれるのです。
LCC(ローコストキャリア)を利用すれば、いざというときの飛行機代もそんなにかかりません。
そう考えると、海外移住への障壁は、どんどん小さくなってきているんですよね。
自ら定めた地で、気を付けなければならない事柄は、十指にあまるほどある。日本では味わうはずもない、思わぬ出来事に遭遇する場合もあるからである。
なかでも、最低限必要なのは3Kだ。健康とカネ、そしてカミさん。どれも当たりまえのことばかりだが、じつは当たりまえのことばかりだが、じつは当たりまえであることが、もっとも大事な要因であることは、当事者たちも認めている。しかし3Kがそろっていても、「餞別までいただきながら、帰ってきてしまいました。すみません」となるケースもあるから、結局は、海外向きの資質があるか、ないかである。
海外の文化や生活のほうが自分には合っている、という人や、バイタリティに満ち溢れていて、日本の「息苦しさ」に耐えられない、という人じゃないと、海外移住というのはなかなかうまくいかないのではないか、と僕はこの本を読みながら考えていました。
移住に成功している人って、たぶん、日本にいても、ある程度幸せな老後を送れそうな人たちなんだよなあ。
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