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リベラルとしての使命

前回の記事には多数のご意見を頂き、いろいろと勉強になりました。緒方議員はネット上でかなり嫌われているようですね。それで、嫌いな人の発言には「色」が付いていて、内容よりも「色」に反応して、脊髄が反射してしまう方が多いようです。また、政治や経済でリベラル傾向の方でも、家庭内(子供や育児)の事や女性の社会進出など文化面においては保守的な方が多いのだな、というのも意外な発見でした。

神聖な議場だから幼児帯同できないのか

私は、緒方ゆうか氏の公式ウェブサイトの政治理念や活動内容を読んでみて、彼女の理念全般(たとえば安全保障に関する意見など)に賛同できないと感じております。しかしながら、それはそれ、これはこれ。育児中の女性の社会進出については、(いろいろ議論はあると思いますが)もっと考慮されるべきだと考えております。

リベラルというのは、過去の慣習や伝統に捕らわれず、この時代に適合した合理性で判断するべきだと常々、考えております。熊本市議会の規則では、本会議中は議員以外は議場へ入場できないという事になっているようです。これは、議員が健常者である事を前提としていますが、この規則ははたして、いまの時代に適合していると言えるでしょうか。この規則を文字通りに適用すれば、たとえば病気や障害があって介助者(車椅子を押したり、手話の通訳をしたりする者)が必要な市民は、たとえ選挙で議員に当選しても議場へ入場できないという事になります。

私は前回、市民の立法を行う市議会は、市民に対して開かれた場所であるべきだと述べましたが、犯罪者やヤクザや総会屋に来てほしいなどとは考えません。議員が必要と認める帯同者であり、市議会運営側が認めた者を例外とできるように、規則に柔軟性を持たせるべきであろうという事です。

また、緒方ゆうか氏の公式ウェブサイトを見ると、政策・政治理念の最初にあるのは「ためらわずに産み、ゆったり子育てできる環境をつくります」。これは、彼女のインタビュー記事などを見ると、熊本市議会議員になると決意した理由でもあるようです。コメント欄で多くの方が指摘されていた、「議員の収入があれば自分で解決できる筈」というのは的外れ。今回の事案の動機はあくまで、政治的理念にもとづく、確信的な政治的デモンストレーションです。議事進行中の「野次」や、野党による「牛歩戦術」・会議室の前を取り囲んで与党の入室を阻む「ピケ」を正当化するのであれば、彼女の行為も正当化されるべきであろうと考えます。私はこのような政治的に邪道な行為を必ずしも正しいとは思いませんが。

政治的デモンストレーションは理解できるが、「規則を破るのはどうなのか」という趣旨の意見も多かったと記憶しております。これも、市議会運営側の判断を「鵜呑み」にした一方的な決めつけです。議員以外で議場へ入場する者が、なぜ自動的に「傍聴者」になるのか、理解に苦しみます。母親に抱かれた乳幼児に「傍聴」の意図も能力も無い事は明白です。緒方ゆうか議員はこの点について、事前に「規則」を読み込んだ上で判断したとインタビュー記事で話しています。彼女には規則を破る意図はなかったが、議会運営側が「規則違反」と強引に解釈したという事だろうと思われます。実際、母親議員が帯同する乳幼児が「何」にあたるかは微妙なところであり、議論のあるグレー領域と言えます。

私としては今回の事案を奇貨として、各自治体は議員の多様性に応えられるように、「規則」を見直して頂きたいと願うものです。

参考資料:【音声配信】「赤ちゃん連れで議会に。その真意は?」緒方夕佳・熊本市議に荻上チキが直撃インタビュー▼2017年11月22日(水)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)

参考文献:“子連れ市議”緒方夕佳さん激白「あの日の行動はまったく後悔していません」(文春オンライン)

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