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早慶明の付属に熱視線 お受験母の皮算用

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■目利きの診断「大学付属校に向いている子、向かない子」

ところで、大学付属校の魅力は何も「系列大学への推薦」が担保される面だけではない。

わたしは、中学受験塾の代表としてそれぞれの子どもに相性のいい学校研究をしているが、ひとつの物事に没頭できる、いわば「オタク気質」の子は大学付属校が合っていると思っている。

大学付属校の多くは系列大学に進む道が最初から敷かれているため、いわゆる「大学受験対策」を授業でおこなう必要はない。結果として、その科目の本質に迫っていくような「ゆるやか」な授業を展開している学校が多い。じっくり学ばせることで、子どもたちの興味関心を引き出そうという「ゆとり教育」の先駆け的存在といえるのは、実はこれらの私立大学付属校なのである。

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※写真はイメージです

加えて、「高大接続改革」により、中高在学の時から大学レベルの学びに触れられる機会を設けている付属校も数多く存在する。「大学入試」に分断されず、中高大が一体となって子の知的好奇心をゆるやかに刺激していく教育環境は「ハマる子は思いっきりハマる」魅力的なものである。

カリスマ数学講師で、子どもを大学付属校に通わせた経験を持つ秋田洋和氏は「中高大の一体教育は学習面のみならず人間関係でも同じである」と指摘する。

「大学付属校の良さは、中高生の時分から部活動などを通じて大学生とのつながり、いわば『タテ』の関係が構築されるところでしょう。中高時代の活動の延長上に大学があるので、長いスパンで自分の好きなことにとことんのめりこめる環境がそこにはあるのです」

▼親の「不安」で子の将来の可能性を狭めるな

一方、中学受験で大学付属校を選択することに躊躇する親も少なくない。「12歳の時点で進学先の大学を決定してよいのか」という問題に突き当たるからだ。

分かりやすい事例を挙げてみよう。ある子が大学付属校に進学し、在学中に「医師を志したい」という夢が芽生えたとする。けれど、系列大学には医学部がない。では、大学受験で他大学を目指そうとなった場合、付属校の「のんびり」とした学習から大学受験勉強に切り替えるのはなかなかハードルが高い。加えて、学校内は系列大学に進学するのが当然という空気に満ちているため、他大学の入試に挑むには相当強い決心が必要とされる。

前出の秋田氏は言う。

「付属校に通わせたとしても、保護者が子の学習状況の『チェックポイント』を時々に設けるべきだと思いますよ。たとえば、中学校2年生の終わり頃にわが子の英語の適性はどんなものなのだろう、とか……。また、学校の成績だけでなく、外部の模擬試験を活用するなどして、このまま系列大学への道を選ぶのか、それとも外部受験を検討するのかを親子で話し合う機会をその都度設けるべきでしょう」

■実は大学入試は「軟化」、当時の日東駒専はいまのMARCH

全貌がまだまだ見えぬ「大学入試改革」。そして、私立大学入試レベルを難化させた「定員超過厳格化」。こんな話を耳にすると、わが子が将来迎える大学入試は「狭き門」になってしまうのではないかと不安にかられてしまう保護者が大勢いるに違いない。

しかし、中高教員や予備校講師の話を聞く限り、先述した「定員超過厳格化」によりここ最近の私大レベルはやや難化したものの、それでもいまの「親世代」が大学入試に挑んでいた頃と比較すればずいぶん間口が広くなっているといえるだろう。

某私立中高に長年勤める進路指導部長がこんな話をしてくれた。

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「大学入試の応募人数や競争率のピークはいまから25年前~30年前。団塊ジュニアと呼ばれる世代がこぞって大学入試を目指した時期です。日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)でもかなりの狭き門でした。わたしが思うのは、当時の日東駒専は、いまのMARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)のレベルに相当するだろうということ。つまり、長期的に見ると大学自体はかなり入りやすくなっているのです」

▼「大学入試が心配」で、付属校を選択するのはやめよ

ほかの教育関係者からも似たような話をたびたび耳にする。

大学入試ピーク時と比較すると、いまの大学入試レベルが易化している理由はざっくり次の2点に分類できる。

1:少子化が進行しているにもかかわらず、大学入学定員数は増えている。
2:地方から首都圏の大学入試に挑む受験生が減少している。

ここでわたしが言わんとしていることは、昨今の大学入試情勢ばかりに目を奪われてしまってはいけないということだ。つまり、子の大学入試に対してそこまで大きな不安を保護者が抱く必要はないのではないかということだ。

だからこそ、「大学入試が心配だから」という理由だけで、大学付属校を即座に選択しようとするのはやめたほうがよい。わたしは大学付属校を手放しで礼賛することはしないし、かといって否定もしない。なぜなら、子どもひとりひとりの特性次第で「その子にとっての良い学校」は変わってくるからだ。この記事がわが子の進路をじっくりと考える契機になれば幸いである。

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