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東芝の第三者割当増資の本質は

東芝が6000億円相当の第三者割当増資を行い、債務超過回避と上場維持を確実にしようとしている。この選択が吉と出るのか、凶と出るのか。もはや関係ない企業ながら、少しだけ考えてみた。

というのも、11月22日の日経の記事に、僕のブログが引用されたらしく、「上場維持の結論が正しかったどうかは分からない。時間の経過とともに判明する」とあったからである。そう引用された責任上、少しは考えないといけないだろう。

まず、第三者割当増資とは、行き詰まった企業が多用する資金調達手段である。名門だったはずの東芝がこの第三者割当増資を使うなんて、正直なところ予想できなかった。

何を考えているのか。メモリー事業分野が来年3月末までに売れず、債務超過が確定し、上場廃止になることを極端に恐れたのだろう。6000億円の増資割当先は、12月1日の日経の表現を借りるのなら、すべてファンドであり、強面(こわもて)のお兄ちゃん方といったところだ。

もう1つ、今回の増資の立役者が外資証券会社ゴールドマン・サックス(GS)であり、200億円もの手数料を得たことも重要である。東芝の切なる望みをかなえるため、巧みに動いたのはさすがだと、褒めそやさないといけない。それだけ東芝が弱みを持っていたことの裏返しでもある。

GSが水面下で探ったところ、強面のお兄ちゃん方から、東芝の価値は1株400円超だとの感触を得たと新聞に書かれている。ホンマかどうかはともかく、強面のお兄ちゃん方もうま味がないと東芝に飛びつくはずがない。東芝の側から見ると、「安売りした」ことになる。

東芝として、上場維持ができたとして何があるのか。「上場会社」というタイトルだけだろう。企業はタイトルだけでは生きられない。強面のお兄ちゃん方にしゃぶられることも覚悟しておかなければならない。今の経営陣や取締役会で対等に議論できるのか。

いろんな経営者と議論してきた知り合いから、つい最近、東芝の経営陣と社外取締役に関する感想を聞いた。それによると、端的に言って「(本質を)何も知らないのではないか」とのことだった。気になる一言である。

東芝の事業はさらに切り売りされ、再編の芯になるのだろうか。雪の季節が近い。雪の芯は大気中のチリやホコリだとか。東芝に残された事業分野が、いずれ日立や三菱電機に売却され、そこで花開くことになることも予想しておかなければならない。ふと、そう思う。

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