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日本企業の小物化と不正の関係

日本の大企業が製品の品質をごまかしていた。神戸製鋼所、三菱マテリアル、東レの名前が挙がっている。いずれも名門会社である。とくに、東レは日本の希望の星の1つであるとともに、地位が低下しているとはいえ、企業団体のトップ、経団連の現任会長会社である。

これらの現象が何を意味しているのか。先日、某新聞記者と話していて、いろいろと考えた。結論を一言で表現すれば、日本企業が小物に化したと思う。以前に書いたように、日経の看板コラム「私の履歴書」の企業経営者バージョンが全体として退屈なのと同根である。

小物企業では何が起きるのか。

1つは組織の官僚化である。上下関係が明確になり、その秩序を乱すことが悪とされる。僕が某日本生命に入社した当時、主任・係長や課次長をすっぽかして課長にダイレクトに相談や報告をしても、時々その課長から「誰それ君に相談したか」と注意される程度で許してもらえた。今の大企業ではあり得ないのではないだろうか。

2つに、この官僚化は組織第一主義を生み出す。要するに天動説に近い。組織に生じた問題を組織外に持ち出してはいけない。組織を守るためであるし、組織外の重要性が低いとみなされている。つき詰めれば、自分達の権益を守るためである。

3つに、上司が絶対になる。上司を傷つけてはならないし、困らせてはならない。傷つけ、困らせれば、その結果は我が身に降りかかり、下手をすれば左遷される。一方、企業として活動しているからには、いろんな失敗や過ちが必然的に生じる。損失もそうである。それらを「なかった」ことにすれば、自分自身を含め、会社全体が幸せになる。だから、隠蔽が正しい行為だと組織の多くの者が思ってしまう。

4つに、上司も問題である。完全無欠の組織や企業活動はありえない。しかし、上司はさらに上司の機嫌を伺い、社長や会長は顧問の機嫌を伺う。だから、1つでも企業活動に瑕疵があれば「けしからん」、「何をしているんだ」と下を叱ってしまう。とすれば、気づかれにくいものは「かくしてしまえ」となる。

5つに、現在の会社生活を従業員全体がハッピーだとは決して思っていない。だから、上司に対する不満がいたるところで鬱積している。この結果、組織としての不正の兆候や隠蔽があれば、その情報が必然的に外部に漏れる。かつてと比べ、情報伝達手段が飛躍的に発達していることも、情報の漏洩に大きく寄与している。残念ながら、上司はこの事実にあまり気づいていない。

日本企業が大物であれば、多少の失敗や不正は「ありえること」と判断され、まだ影響が少ないうちに外部に公表されるだろう。その失敗や不正が小さいうちに処理すれば、企業成長の糧となりうる。大物の経営者ならそう考えるに違いない。

常に100点を取れる人間も企業もない。失敗し、不正に直面すれば、それを乗り越えるために努力すればいいだけである。ということで、日本企業の小物化に暗然としてしまう。

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