記事

日韓の溝 埋めるのは困難 阿達雅志参議院議員

画像を見る
ⓒJapan In-depth 編集部

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部(駒ヶ嶺明日美)

【まとめ】

・日米関係は安倍首相―トランプ大統領の下、密になった。

・北朝鮮問題はアメリカが軍事的オプションを取るまでに、取りうる外交的手段はまだあるが、偶発的な衝突の可能性は否定できない。

・日米韓同盟が北朝鮮に対する圧力になるが、日韓関係の溝を埋めるのは難しい。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合は http://japan-indepth.jp/?p=37234でお読みください。】

トランプ氏の大統領就任から約1年。11月6日には日本で日米首脳会談が行われ、その後トランプ氏は韓国、中国、ベトナム、フィリピンを歴訪し、対アジア外交を行った。今回は、参議院議員で自民党外交部長の阿達雅志氏をゲストに迎え、今後の日米関係と対北朝鮮政策について、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。

画像を見る
▲写真  日米首脳会談 2017年11月6日  出典)首相官邸

まず細川氏が「一年前にトランプ大統領が選出されて、安倍総理が会談をしてから約1年経つが、現状の日米関係をどう見るか。」と質問すると、阿達氏は「全体として日米関係は大きく改善した。オバマ大統領の頃は、電話で首脳会談をするといっても、なかなかスケジュールの設定ができなかった。しかし今はすぐにでき、二日連続して電話会談がセットされるということもある。安倍総理とトランプ大統領の繋がり・コミュニケーションは密になった。」と答えた。

細川氏が「安倍総理はトランプ氏の選出後にすぐアメリカに行ったり、2月にフロリダでゴルフ会談をしたり、今回の訪問でも日本でゴルフをしたりしている。日本側はアメリカに対してコミュニケーションをとる努力をしているということか。」と質問すると、阿達氏は「安倍総理が先進国の中では最初にトランプ大統領にアプローチして、そこでいろんな話をした。それがトランプ大統領にとっても良かったのだろう。2月の首脳会談のときにも、トランプ大統領が自ら記者会見で、『我々の間には強い繋がり、良い相性がある』と言っている。」と答えた。

その要因について、「お互いの信頼関関係の醸成に努力した、日本側の行動をアメリカも信じてくれているということか。」との質問に、

阿達氏は「トランプ大統領は、大統領として個性的で、良く言えばリーダーシップがあり、悪く言えば周りの言うことを聞くよりも自分の考えでどんどん進んでいく。そういうトランプ大統領と、密なコミュニケーションを取れる日本の総理ということで、その分日本を大事にしてくれるということが起こっている。」と答えた。

次に細川氏は、北朝鮮問題について質問した。まず、今後の北朝鮮情勢の見通しを尋ねると、阿達氏は「アメリカは最終的には北朝鮮の非核化(を目指している)。アメリカは外交政策の中心に、世界中で限られた核兵器保有国以外が核兵器を持つことを許さないという核不拡散体制を貫くという方針をはっきり持っている。一方で北朝鮮は、自分たちが生き残るためには核を持たないといけないと(考えている)。この両者がいずれどこかでぶつかる可能性は非常に高い。」と答えた。

お互いに歩み寄るということはもう無いということか、との質問には、「最後の部分では無いと思う。ただ、アメリカが軍事的オプションを取るまでに、取りうる外交的手段はまだ沢山ある。」と述べた。

その上で、懸念事項を3点上げた。まず、「北朝鮮は、ICBMと言われる大陸間弾道で1万キロの距離を飛ばせるようになった。これに水爆をのせることができるようになると、アメリカ本土を狙える。そうなると、今アメリカが持っている北朝鮮を牽制するための核抑止力が脅かされることになる。北朝鮮が核兵器を持っているだけなら良かったが、ICBMまで持ってしまった時点で、アメリカとの関係においては、レッドラインをほぼ超えてきた。」という状況で「トランプ大統領が本当にすべてのステップを全部踏むのかどうか。」ということ。

画像を見る
▲ 写真 北朝鮮の大陸間弾道弾 火星13号とされるミサイル 出典)Missile Defense Advocacy Alliance

2点目に、「アジアの地域に、空母が3隻いる」状況で「順にステップを踏んでいる間に、偶発的に何かが起きてしまう」のではないかということ。

3点目として、「北朝鮮が状況を読み間違えることで何かが起きてしまうということは可能性を否定出来ない。」ということだ。

細川氏が韓国について、「日米韓関係が重要であるにも関わらず、トランプさんを接待するのに(韓国は)日本に挑発的な態度を示しているようにも見えた。日韓関係は大丈夫なのか」と質問すると、

阿達氏は「正直なところ、日韓関係の溝を埋めるのは難しいところがある。以前アメリカが間に入って、日韓合意という形で慰安婦問題について決着をつけたが、結局韓国は履行できなかった。対北朝鮮では日米韓が協調していかなければいけない一方で、韓国は経済的には中国に依存しており、北朝鮮に対しては、38度線で国境を接して、同じ民族同士で戦うことには抵抗がある。日本やアメリカとは違う考え方をしている部分が随所に出てきている。」と述べた。

画像を見る
▲写真 日韓外相会談 岸田文雄外務大臣と尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官外交部長官 2015年12月28日
出典)外務省

その上で、「日米韓が同じようにしっかりと動いていくこと自体が北朝鮮に対する圧力になる。」と述べ、韓国を信頼して協力することが北朝鮮を押さえ込むために必要だとした。

最後に、阿達氏は「これまで日本はミサイルが飛んでくることは想定していなかったが、何らかの間違いによって飛んで来る可能性が無いとは言えない。」、「世界では普通の観光地でも国際テロが起きる。」と述べて、ミサイル危機と国際テロ危機に対して、「国民の皆さんもそういうことはいつか起きるかもしれないんだという認識は必要。」との考えを示した。

細川氏も「(危機に)備えるということは、決して日本が危ない国になるのではなく、世界の常識的なことでもある。私達も冷静に考えなくてはいけない。」と述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2017年11月18日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

あわせて読みたい

「日韓関係」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    在宅勤務で生産性低下した国は日本だけ? 背景に対面コミュニケーション依存の働き方

    非国民通信

    08月02日 15:12

  2. 2

    男性視聴者の眼福になっても女子選手が「肌露出多めのユニフォーム」を支持する理由

    PRESIDENT Online

    08月02日 15:27

  3. 3

    何をやっても批判される「老夫婦とロバ状態」の日本

    内藤忍

    08月02日 11:52

  4. 4

    コロナ軽視派「6月で感染者数減少」予想大ハズレも、重症者数が大事、死亡者数が大事とすり替え

    かさこ

    08月02日 10:29

  5. 5

    この1週間を凌げば、オリンピックが終わります。もうしばらく我慢しましょう

    早川忠孝

    08月02日 14:37

  6. 6

    「幻の開会式プラン」を報じた週刊文春が五輪組織委の"圧力"に負けずに済んだワケ

    PRESIDENT Online

    08月02日 10:36

  7. 7

    中国が支配するディストピア 香港の大量国外脱出「英国だけでも5年で最大83万人超」予測

    木村正人

    08月02日 18:29

  8. 8

    ワクチンの効果が着実に出ている中での一律の行動自粛要請は不適切

    岩屋毅

    08月02日 11:28

  9. 9

    橋下徹氏 五輪をやると国民の行動制限が効かなくなることを想定していなかったのか

    橋下徹

    08月02日 16:48

  10. 10

    家庭環境の差が自由研究にも…小学校の「夏休みの宿題」に存在価値はあるか

    ABEMA TIMES

    08月02日 09:58

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。