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  • ヒロ
  • 2017年11月28日 12:06

労働生産性を考える その2 少子化の日本はそれを生かせる構造改革を

少子高齢化対策を政府は躍起になって行っています。内閣府特命担当大臣(少子化対策担当)まであるのですが、この大臣ポスト、2007年にできて10年ちょっと経ったのですが、実に17人もその席に座りました。

目立つところでは小渕優子、福島瑞穂、与謝野馨、蓮舫、岡田克也各氏らですが、どんな実績があったのでしょうか?個人的にはなかなか成果の出ないポジションでありますから「一生懸命やっています」という姿勢を示すのが仕事なのだろうと思います。

日本の少子化を政策的に止めることが出来たら私はノーベル賞ものだと思います。家族を増やしたいという意識は動物的本能と社会的要素の組み合わせなのだろうと考えています。それこそ、日本の歴史だけ見ても戦国時代や先の戦争を含め、人の命がどんどん削り取られる時代でした。また医学も十分ではありませんでしたからとにかく、産まねばならないという時代でありました。

今は、平和、かつ、医学や医療がどんどん進み、平均寿命は延びています。生活は大きく向上し、人々の衣食住のクオリティは上がってきています。こうなると政府の掛け声ぐらいで家族を増やしたいという意識はまず生まれてこないと考えています。

そんな中で15歳以上65歳未満の生産年齢人口の推移に日本の産業界はどう対応するのかという点について私は興味を持っています。生産労働人口は13年4月が7900万人で15年10月が7700万人と減少しており、それから2年たっていますから実勢7500万強ぐらいかと思います。ざっくり1年で100万人も減るのです。

これに対して女性や高齢者の再雇用、さらには外国人労働者でその減少分を補うわけですが、それにも限界があります。

一方、日本は先進国では労働生産性の低さでは定評がある国であります。その低さの理由を海外に在住の人が日本に来ると案外気が付きやすいと思います。空港についた途端、空港職員が溢れ、デパートには手持無沙汰の店員がゴロゴロ、会議となればなぜこれだけ多くの人が出席しなくてはいけないのか、というほとんど無意味な「お前も出ておけ」型の非効率さが目立ちます。

他方、飲食店や人気店にはありえない行列ができ、店員は客捌きが追い付かなかったりします。実にアンバランスなのであります。

日本はフルタイム雇用が主体です。個人的にはこの慣習を見直したらどうか、と思います。海外では多くの人がパートタイムジョブを2-3つ掛け持ちします。それは企業側もフルタイムでは採用できないが、忙しい時だけほしいという要望に応える一方、雇われる側も自分の時間の都合に合わせて仕事を刻み込めるというメリットがあります。

例えば百貨店が混むのは土日。ならば、土日だけ店員が欲しいわけです。ホテルは観光シーズンに人が欲しいし、建設会社は3月末にかけて人が欲しいわけです。つまり、人的需要は一年を通じて均等にあるわけではなく、非常にムラがあるのです。ならば、なぜ、そういう雇用体系を普及させようとしないのでしょうか?

雇われる側には安定という言葉が欠けるのでしょう。雇う側は「ベテラン」という安心感が欠けるのでしょう。しかし、生産年齢人口は確実に減っていくこの時代において変わろうとする気持ちがないとどんな場合にも対応できません。

当地のあるホテルの場合、季節要因や予約状況に応じてスタッフの数が大きく変わります。ではその度に採用面接をしているのかといえばそうではなく、登録されている季節要員スタッフが多数在籍し、その時だけ声がかかるという仕組みで、ある意味、実に安定しているのです。航空会社のキャビンアテンダントも同様です。そして多くのパートタイムスタッフは2-3つ掛け持ちで仕事をしています。いろいろな仕事ができて楽しい、という方も結構多いのです。

北米で何か人手がかかるサービスを頼むと異様に高額の請求をされます。ちょっとした修理でも部品代1000円、工賃1万円というのはごく普通にあります。そしてその請求書を見た瞬間、あぁ、自分でできたらな、と思うのです。

つまり、労働サービスを伴う費用は今後、暴騰し、一方で自分でやるDo It Yourself だと安くなる、という時代が日本にも確実に到来しそうです。IKEAの家具がなぜ安いか、といえば一つには自分で組み立てねばならないからであります。

銀行は堰を切ったように行員の削減計画を発表し始めました。多分ですが、地方銀行や信用金庫まで普及していく気がします。この余剰人員は人員が不足する業界に転嫁できる仕組みを作るべきかと思います。

ブルームバーグによると日本はITなどの技能職の方にとって魅力が相当低いと報じられています。日本の労働慣行の特殊性は高技能職の非日本人には厳しいハードルのようです。となれば日本の労働力は日本が守らなければならないとも言えないでしょうか?

私は労働慣行の柔軟性がキーワードになってくると考えております。
労働生産性のトピついてはあす、IT化について考えたいと思います。よろしくお願いします。

では今日はこのぐらいで。

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