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中国の「特使派遣」失敗で、アメリカと北朝鮮の関係はどうなる?〜田原総一朗インタビュー

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AP
アメリカのトランプ大統領が11月前半、約2週間かけてアジアの国々を歴訪した。米朝関係が緊迫するなか、日本を皮切りに、韓国、中国、ベトナム、フィリピンの5カ国を訪れ、各国の首脳と会談した。このトランプ外交をどう評価すればいいのか。田原総一朗さんに聞いた。【田野幸伸・亀松太郎】

トランプ大統領の「最大限の圧力」には武力行使も含まれる

トランプ大統領は最初に日本を訪問し、安倍首相とゴルフをした。注目したいのは、ゴルフ場内で移動するとき、車ではなく、徒歩で動いていたことだ。

安倍首相と一緒に歩いて移動していた。2人だけで話したかったからだろう。そこで、いろいろ話したはずだ。

両首脳の会談では「北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」という点で一致した。最大限まで高めるということは、その中には武力行使も含まれるということだ。

それに対して、安倍首相は「完全に一致した」と述べた。完全に一致したということは、武力行使に賛成ということである。

もしアメリカが北朝鮮に武力行使するとしたら、北朝鮮は韓国や日本に報復攻撃する可能性がある。そのとき日本は対応できるのか。

マティス国防長官やティラーソン国務長官たちは、日韓に対する被害が大きすぎるので、武力行使はすべきではないと主張しているようだ。

この点がトランプ大統領と異なって、世界中がどうなるかと注目している。

実は、安倍首相は9月末に衆議院を解散したとき、その理由について、側近たちに北朝鮮問題が背景にあると伝えている。

つまり、11月のトランプ・習近平会談で、両者が合意できず決裂に終われば、年末から年始にかけて、アメリカが北朝鮮に武力行使をする可能性がある。そうすると、北朝鮮は韓国や日本に報復攻撃をするだろうから、そのための対策を整えるために、早く選挙をしたい、と。

中国とアメリカで「太平洋を二分」する?

今回のトランプ大統領との会談で、韓国も日本と同じように、北朝鮮への圧力を最高限度まで高めるという点で合意した。ところが、日本や韓国が北朝鮮に対する圧力を強めるといっても、具体的な手段はない。

一方、中国は違う。中国は、北朝鮮に圧力をかける手段を数多く持っている。

たとえば、北朝鮮の貿易の9割は中国が握っている。これ全部シャットアウトしたら、北朝鮮の経済は崩壊する。あるいは、中国は北朝鮮に原油をパイプで送っているが、これをストップすれば、北朝鮮の国民生活は成り立たない。

そこで、トランプ・習近平会談がどうなるか、世界中が注目していた。

トランプ大統領が中国に何を要求するかが焦点だった。北朝鮮への圧力を最高程度まで高めるとすれば、原油をストップすることもありえた。

ところが、中国はトランプ大統領を国賓クラスのもてなしで、最大限歓迎した。故宮を借り切って食事会を開いたほか、米中の企業間で28兆円もの契約を成立させた。中国がアメリカの製品を買う、と。

結局、今回のトランプ訪中に際して、習近平国家主席は対北朝鮮政策として「9月の国連安保理の決議を守る」としか言っていない。つまり、圧力を最大限まで強化する、とは言っていない。

それに対して、トランプ大統領は反論していない。これは、どういうことなのか。

それどころか、習近平主席は、トランプ大統領との共同記者会見で「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」と発言した。これは、大国のアメリカと中国で太平洋を二分しようという趣旨と見られる。

この発言は、日本で安倍首相とトランプ大統領が合意した「自由で開かれたインド太平洋地域の実現」という理想とまったく相反するが、トランプ大統領は特に反論していない。いったい、どういうことか。

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