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やらなくていい抗がん剤はやめる ホジキン病の臨床試験から

ランセットの論文です。(PET-guided treatment in patients with advanced-stage Hodgkin's lymphoma (HD18): final results of an open-label, international, randomised phase 3 trial by the German Hodgkin Study Group

ホジキンリンパ腫というのは悪性リンパ腫の一つです。抗がん剤がとてもよく効いて、5年生存率は90%以上となります。

かなり病期が進行している患者さんに、抗がん剤治療2回終了時のPET検査で陰性であれば、本来8回やるべきと決められている抗がん剤治療を減らしてもいいという結果です。またPET陽性の時にリツキサン(非ホジキンリンパ腫のDLBCLでとてもいい効果)を追加してもしなくても効果は変わりないという結果もあります。

M3からの日本語解説文の引用です。
>進行期ホジキンリンパ腫患者を対象に、増量BEACOPP(ブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾン)療法2サイクル後のPET(PET-2)による効果判定に基づく治療の有効性を、国際無作為化非盲検第III相試験で検証(HD18試験)。PET-2陽性の434例で増量BEACOPPにリツキシマブを上乗せしても5年無増悪生存期間(PFS)は改善しなかった。また、PET-2陰性の1005例で増量BEACOPPのサイクル数を減らしても5年PFSは変わらなかった。
実は2年以上前からこの話は出ていました。今回正式に論文として発表されたわけです。ドイツでの臨床試験ですので、日本でのホジキンリンパ腫標準治療ABVDとは異なることは言っておきます。ただ6ー8回の治療を2回に少なくできるということは患者さんにとってはいいことです。まして過剰な抗がん剤治療は2次発がんを少ない確率ながら発症させますため、やらなくていい抗がん剤治療はやる必要はありません。

今ある抗がん剤の投与サイクル数は正直歴史で決められているものです。その時期にPET検査は当然ありません。そして今リンパ腫の治療効果判定は以前と異なりPETで評価する時代になっています。つまりホジキンリンパ腫で起きたことは全ての悪性新生物等でも正しいかもしれないという仮説が成り立ちます。ただDLBCLでで行われた研究ではPETでの評価は難しいという結論でした。

今後無駄な抗がん剤治療はやらない方向になるでしょう。それこそ骨髄腫なんかもそうなるかもしれません。医療は進歩し続けます。

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