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山口組機関紙に掲載された「サラリーマンより自虐的な川柳」

【山口組情勢を推察できる貴重な資料】

【”サラ川”に匹敵する傑作がずらり】

〈このハゲと テレビで流れて 後ろ向く〉
──豊田真由子・前衆院議員の“迷言”を用い、肩身が狭い中年男性の悲哀を詠ったいかにも“サラリーマン川柳”風なこの一句、作ったのは日本最大の暴力団、六代目山口組の現役組員である。

 これは六代目山口組総本部が年3回発行する機関紙「山口組新報」の最新号(11月1日号)に掲載されたもの。傘下組織にのみ配布されている機関紙は、〈ここに来て自称神戸を冠する謀反組、同じく自称任侠を冠する謀反組とも双方に明かな綻びが生じ、組織の弱体を露呈している有様です〉(巻頭言)というように、神戸山口組、任侠山口組との「3つの山口組抗争」の最新情勢が知れる資料として警察関係者の間では注目されている。

 が、別の意味で注目を集めているのが、創刊号から続く川柳コーナーなのだ。全国の組員が投稿する川柳は、

〈ガード付 命消えども 名は残る〉
〈代替わり 吐いたツバまで 呑み込んで〉

 といった抗争を想起させるヤクザならではの句もあるが、たいていはそうではない。むしろサラリーマン川柳以上に“小市民的”な作風ばかりなのだ。

〈指一本 スマホと俺を つかう妻〉
〈俺は内 豆を撒きたい 鬼嫁に〉
〈正月は 子供見るたび 財布泣く〉

 妻や子供の顔色を窺う情けない父親の顔である。さらに、ヤクザの高齢化を感じさせる自虐ネタも。

〈加齢です 医師の所見の 的確さ〉
〈酒飲んで 出るのは愚痴と 腹ばかり〉
〈深刻は 情報漏れより 尿の漏れ〉

 しかしヤクザにはおよそ似つかわしくないこうした川柳が、なぜわざわざ機関紙に掲載されているのか。山口組分裂抗争を取材するライターの鈴木智彦氏が分析する。

「今のヤクザは、暴排法の締め付けや抗争の影響でシノギ(経済活動)も上手くいかないため、同年代と比べて苦しい生活をしている人が多い。さらに子どもにヤクザを継がせない家庭も増えているため、親族から理解を得られない家庭もある。こうした厳しい現状を分かち合うために掲載されているのでしょう」

 何気ない川柳からも、暴力団衰退の兆候が透けて見える。

※週刊ポスト2017年12月1日号

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