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もはや“待ったなし”の国会改革

総理、100日以上国会に張り付け
“喫緊の課題”、小泉議員決意語る

新しい国際秩序の構築に向け国際社会の動きが激しさを増している。そんな中、自民党筆頭副幹事長の小泉進次郎衆院議員が11月17日、「日本の行方を総理に誤ることなく決断してもらうためにも年間100日以上も国会に張り付けることが日本国民にとって最善の形なのか」と疑問を提示、「与野党の枠を越えて国会改革を成し遂げるべきだ」と決意を語り注目を集めた。

国会改革の必要性を語る小泉議員

国会改革を求める動きは、与野党有志による改革提言や2014年4月の4党(自民、公明、民主、日本維新の会)合意による改革案、経営者や有識者でつくる「日本アカデメイア」による改革提言などが繰り返されてきたが、目立った成果は見られない。社会が転換期を迎え迅速な対応が求められる中、国会改革はどの政党が政権に就こうと、最早、避けて通れない喫緊の課題である。早急な改革が国権の最高機関としての信頼を取り戻す道でもある。

小泉議員の発言は17日、東京都千代田区で日本財団が開催した「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム」の基調講演で行われた。この中で小泉議員は「世界は今、新しい秩序に向けて、どの国がどれだけ自国利益を獲得していくか、むき出しの権力闘争の中にある」とした上で、「総理が国会に出ることが説明責任を果たしている、あるいは出ること自体が目的化している、といった現状が日本の国益になるとはどうしても思えない」、「世界の中の日本を考えた時、強い危機感を持つ」と述べた。

日本アカデメイアが2012年に行った緊急提言によると、日本の総理大臣が2011年に本会議や予算委員会など国会に出席した日数は127日、英首相は36日、独仏両国首相は11〜12日となっており、財務大臣は207日、外務大臣は165日とさらに多い。現在も出席日数に大きな変化はなく、小泉議員は「このような国は世界にない」と言い切った。

中でも衆参両院の予算委員会。本来、内閣が作成した予算案を審議する場で、総理を含め閣僚全員が朝から夕方まで出席するが、実態はあらゆる政治課題を審議する「何でもあり」の場となっており、質問内容を事前に通告する原則があるものの通告以外の内容を質問してはいけないルールもない。結局、総理以下、多くの閣僚が張り付く形となっている。

小泉議員は、総理大臣にしか答えることができないテーマに関しては総理にいくらでも答えてもらえばいい、とする一方で、全質問に総理が対応する現状には疑問を呈した。現実にも質問内容の「事前通告」を徹底して、内容によっては他の委員会に回し、総理以外でも答えられるテーマに関しては関係閣僚や副大臣、政務官が答えるようにすれば、総理や閣僚がいたずらに委員会に縛られる事態は大幅に緩和できるはずだ。

改革が進まない原因について小泉議員は「(国会を)より良い姿にしたいというベクトルより、今までやってきたようにやりたい、という前例踏襲主義がある」と指摘した。政治の世界に権謀術数や駆け引きがあるのは当然として、外交が国の将来を左右するこの時代に総理や関係閣僚を必要以上に縛る国会の姿が国民に理解されているとは考えにくく、政治不信を助長する結果を招いているように思う。

憲法63条は「内閣総理大臣やその他の国務大臣は、・・答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない」と定めており、本格的な国会改革には憲法改正が必要と思う。しかし小泉議員は特別国会初日の11月1日、首班指名、衆院議長、副議長選出の記名投票で1時間50分掛かった、とした上で、参議院が評決に当たり導入している「押しボタン式投票」が衆議院には導入されていない点にも触れた。

慣例で議長は与党第一党、副議長は野党第一党から選ぶと決まっており、記名投票にする必要はない、との趣旨と理解したが、国会には満場一致、異議なし採決、起立採決などもあり、そうした方法を採ることで審理を迅速化する改革はいくらでもあるはずだ。小泉議員らの改革の動きが少しでも加速するよう望みたい。

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