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日本にある「中国の国宝」?

『中国日報網』に掲載されていた「收藏于日本的十大中国国宝」(日本で収集されている中国の10大国宝)という記事が興味深かったので、今日はこれについて少し。

1 日本と中国十大国宝


 何と言っても最も興味深かったは最初の前書きの部分です。

 もし中国以外でどの国に中国の文化財が一番多く収集されているかと聞かれれば、答えは必然的で日本です。日本は隋や唐の時代から、ずっと中国を文化の母国として、謙虚に学習し、大量の各種の芸術品を輸入してきました。数百、数千年という時間が過ぎて、現在になってもかなりの数の宝物を残しております。

 その上、近代になると中国は列強の侵入を許し、中国の文化財は大量に海外に流失してしまいました。その中で中国の国宝を最も多く所有しているのは日本で、最も中国文化に精通しているのも日本人です。

 我々は極めて多くの宝物が海外にあることを知っており、1,2,3,4とその数を数えますが、知っている者は少ないのが現状です。そのため、ここに日本が所有している中国の十大国宝をまとめてみたいと思います。

こういった前書きに続いて、1つ1つ宝物の紹介が始まるわけですが、列強の侵略に伴う宝物の海外流出という記載があったので、てっきり日本が第二次世界大戦中に中国から持ってきて宝物にはこんなものがあるという紹介でもするのかと思っていたのですが、違いました。

2 国宝の紹介


 最初に紹介されているのが、現在では入手困難な大きな貝が使われていると言われている正倉院にある「螺鈿紫檀五弦琵琶」、次が静嘉堂文庫蔵の「曜変天目茶碗」ですが、なかなかこの茶碗に関する説明が面白く、以下のような説明がされております。

 織田信長により所有されていたが、本能寺の変の後、徳川家康が所有することとなり、後に三代将軍家光が春日局に下賜した(興味のある方はこれらの人物を調べてみてください。皆日本の歴史上有名な方々です)。
 そしてその次が後漢の光武帝が57年に奴国に対し冊封の印として贈ったと言われている、漢委奴国王印(金印)です。こうした紹介が10個続いているわけですが、これらは確かに中国で生産されたものかとしれませんが日本が正規に輸入したり譲り受けたりして、今日まで保管してきた日本の国宝であり、中国の国宝ではありません。

3 中国の国宝?


 最初に私が誤解したのもそのためで、中国の国宝を日本が奪い去ったという意味で「中国の」国宝という言い方をしているのと思ったのですが、そうではなく中国で作られた宝物という意味で使われておりました。

 確かに当時、これだけの宝物を作りあげた技術を有していた中国は大国だったのは間違いありません。しかし、問題はその後で、国が乱れたりしたために(最大のものはいうまでもなく「文化大革命」)こうした宝物を保持してこれなかったわけであり、本当はそこのところを最初に強調すべきだと思うのですが、やはり支障があるのか先に見たような前書きとなっております。

 人(国)はどうしても自分に都合の良い様に物事を解釈する傾向があります。そのため本来であれば冷静に日本に宝物を保持でき、何故中国ではできなかったのかを考えてみることが大事ですが、どうしても自分の非を認めるのはどこの国も一緒でなかなか難しいため、責任を外部に押しつけることになります(それが今回の記事では列強)。

 なかなか綺麗な写真が使われており、見ているだけでもすごいなと思わせてくれる仕上がりになっていますので、文化財などに興味のある方は元記事の写真を見るだけでも楽しいかもしれません。

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