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アベノミクス再考の必要性

 2016年の伊勢志摩サミット後に安倍首相は、今年4月に予定されていた消費税率の10%への引き上げを延期すると表明した。

 伊勢志摩サミットで議長の安倍首相は機動的な財政戦略や構造改革を提案し、リーマン・ショックを引き合いに出して世界経済の危機(クライシス)に懸念を示したが、危機の度合いの表現をめぐって疑問も出たことから調整もあった。欧州の首脳らがかなり困惑したとも伝えられている。

 景況認識は民間エコノミストどころか霞が関内でも共有されていなかったと、11月17日の日経新聞の大機小機でもコメントがあった。

 何故に安倍首相は今年4月の消費税の10%の引き上げは先送りしたのか。現実にリーマン・ショック級の世界経済の危機など起きてはおらず、むしろ長きにわたり景気回復基調は継続し、株価はバブル崩壊後の高値を更新している。

 安倍首相が消費増税を2度に渡り先送りされた背景には、いわゆるリフレ派と呼ばれる人達の主張が影響していたとされる。アベノミクスの柱が異常な金融緩和策となっていたり、日銀の政策委員人事などをみて明らかである。さらに日銀の異次元緩和によって物価目標達成ができなかったことも2014年4月の消費増税を主犯としているくらいであった。

 しかし、世界的な物価の低迷そのものが日本の消費増税による影響によるわけはない。また、リーマン級の危機どころか、順調に世界経済が回復している。世界経済の回復そのものは、日本の消費増税を延期したり、日銀の異次元緩和によるものではない。株価の上昇など、多少の過剰流動性は生み出しているのかもしれないが、少なくとも日銀の異常な緩和が物価への刺激というバイパスを通じずに直接、雇用の回復に影響を与えているとの見方もおかしい。

 17日の日経新聞の大機小機では次のようなコメントがあった。

 「中央銀行の役割は「パーティーが盛況なときにカクテル入りのパンチボウルを片付けだす」ことにたとえられるが、今の日銀は相変わらず酒を出し続けているどころか、もういいといっている客にまだどうぞと杯を押しつけているようにさえ見える。」

 これがどのような副作用を招きかねないのか。日銀も総裁がその副作用に言及するようになってきた。首相官邸もこのあたりを十分意識しておく必要があり、日銀総裁人事などでもこの点に注意すべきではないかと思われる。

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