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あなたの命を削る「残業」をやめる方法7

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Diagnosis:3
いつも予定通りに終わらない

時間の使い方が上手くなるポイントは、タイムスケジュールに、成果を書き込むことです。

予定通りに終わったら○。終わらなかったら「何に時間がかかったか」「どんな失敗があったのか」というメモを残しておきます。

すると「自分にはどういう仕事の仕方が向いているのか」「どんなイレギュラーが起きやすいのか」「このタイプの仕事はどの時間帯にやればはかどるのか」といった傾向が見えてきます。さらに「この手の資料は結局使わないんだな」「この作業は頻度を減らしてもいいな」といったことも見えてきます。自分の行動と効率を可視化することで、行動を修正し、効率をより高めていくことができるのです。

このように客観視できるかたちで情報を蓄積し、効率のよい仕事のリズムを体系化していけば、他人に説明できるようになります。それを基にして長時間労働を強いる上司に異論を唱えることができるかもしれませんし、チームの仕事の効率を上げることにつながるかもしれません。「働きすぎ」をやめ、短時間労働で成果を出せるビジネスマンになるために、仕事の仕方を変革しましょう。(一川氏)

Diagnosis:4
優先順位がつけられない

重要な仕事や頭を使う仕事は、1日のうちのなるべく早い時間に持ってきます。早いうちに始めることで「難しい仕事は後回しにしたい」という逃げの心理を断ち切ります。どんな作業でも進めば進むほどモチベーションが上がり、積極的になるというのは人間にも動物にも共通した行動的特性の1つです。重い仕事を先に終わらせてしまえば、1日の後半はいいモチベーションのまま、比較的簡単な仕事をこなしていくことができるでしょう。

「メール応対で午前が終わる」という人がいますが、非常に効率が悪いので重要なメール以外は午後に回しましょう。パソコンを使う仕事は、自分が感じている以上に時間が早く経過するので気を付けてください。パソコン操作はあちこちに短い待ち時間が潜んでいるため、時間制限を設けたほうがよいです。

集中しているときに邪魔が入ると、もとの集中状態に戻すのに時間がかかります。作業効率を高めたいときは、邪魔なものを遮断した環境をつくりましょう。「LANケーブルを抜く」「電話をオフにしておく」というのは非常に効果的です。オフィスがフリーアドレスであれば、人に話しかけられないような場所に移動するのがよいでしょう。(一川氏)

Diagnosis:5
迷っているうちに時間が過ぎてしまう

仕事のムダな時間を減らすためには「決断を迷わない」こと。仕事で迷いが生じるのは、お客さんからはこう言われているけどうちの会社としてはそうしたくない、上司はいいと言うけれど自分にはそれがいいと思えないなど、利害関係や意見の相違などが複数あるからです。

その場合はいくら悩んでもよい解決策など浮かびません。迷った場合の判断軸を自分の中に持つ必要があります。私の場合は、「何がクライアントにとって最もいいことか」を判断の軸に置いています。それを最優先事項として考えれば、自分がとるべき行動はすぐ決定できます。

ジョンソン&ジョンソンという外資系の製薬会社では、会社の絶対的なクレド(企業理念)として優先順位を定めています。第一は患者や医師などの顧客で、第二は従業員、第三が地域社会で、最後が株主。この順番を変えてはいけない、と創業者が言っているんですね。

重要とは思えないことで何時間も悩む人もいますが、自分の中に絶対的な軸があれば、判断を下すに必要な時間は大幅に減らせるはずです。自分で自分をマネジメントする。そういった意識で仕事をすることが、残業を減らし、よりよいキャリアを築く第一歩です。(山口氏)

Diagnosis:6
くる仕事を何でも受けてしまう

キャリアは、受けた仕事で決まります。そして、世の中には「スジのいい仕事」と「スジの悪い仕事」の2種類がある。ここで私が言う「スジのいい仕事」の条件は、その仕事が自分を成長させてくれるものであり、かつ評価につながるかどうか、です。ぶっちゃけて言えば、その仕事の発注主が今後その組織や業界で出世し、権力を握らない限り、あなたの評価にはつながらないのです。

今の自分の上司が社内や業界で影響力を持たない人で、かつその指示内容も自分を成長させてくれるものではない「スジの悪い仕事」であれば、断るべきでしょう。断るというのは難しく、勇気の要ることです。しかし、リソースを分散投入しても全部合格点以下しかとれず、結果的にあらゆる仕事で怒られてしまうのでは、残念ですよね。

それができないのであれば、時間と労力をできるだけかけずに済ませるべき、というのが私の意見です。

逆に、「スジのいい仕事」であるならば、ほかの仕事をすべて断って、ときには残業してもいいのではないでしょうか。そこで結果を残すことが、次の「スジのいい仕事」を呼び込むことにつながります。キャリアとは、そうして自分でつくり上げていくものです。(山口氏)

Diagnosis:7
ダメ上司のしわ寄せ

日本企業ではまだまだ「遅くまで残業している」ことを評価する管理職が多いことも事実です。実際、労働時間と人事考課の相関関係を見ると、労働時間の長い人のほうが、評価が高く、出世しているという統計もある。私もかつて、「クライアントには早朝か深夜にメールを送れ」と言われたことがあります。社内だけでなく、社外に対しても、長時間残業していることは“一生懸命仕事している”というアピールになるのです。

20代のころはしたくもない残業をしていました。当時の上司の指示があいまいで、何を、いつまで、どの程度やらなくてはいけないのか、求められている業務の到達点や全体像が不明確なことも少なくありませんでした。それでも、とにかく一生懸命にやろうとするわけですが、実際は簡単な調査で済むものや、もともと必要な仕事なのかどうかも怪しいこともありました。

そうしたダメ上司によるムダな残業を防ぐためには、期日とクオリティについての目標イメージをしっかり握ることが必要です。これは上司がやらなければいけない仕事ですが、やってくれない上司もいますよね。その場合は、下から突き上げるのが部下の責任というものです。

世の中には理不尽な上司もたくさんいます。たとえば「ゲーム市場の現状や課題について調べといて」というようなことを言っておきながら、いざ調べて報告すると「こんなに詳しくなくてもよかったのに」と言う。心が折れてしまいますよね。ですので、「この局面で求められるクオリティは何点なのか」を見極めて、出力を調整することが大切です。

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常に全力投球していては、評価されないムダな仕事が発生しますし、ここぞというときに力を発揮することもできなくなってしまいますよ。(山口氏)

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千葉大学文学部教授 一川 誠氏
大阪市立大学文学研究科後期博士課程修了。専門は実験心理学。人間が体験する時間や空間の特性、知覚、認知、感性の研究に従事。著書に『「時間の使い方」を科学する』など多数。  企業コンサルタント 山口 周氏
コーン・フェリー・ヘイグループ シニア・クライアント・パートナー。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニー等を経て、現職。著書に『外資系コンサルの知的生産術』など多数。 

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(企業コンサルタント 山口 周、千葉大学文学部教授 一川 誠 構成=嶺 竜一、衣谷 康)

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