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「◎◎の疑い」という診断書

大相撲のことは詳しくわからないが、どんな世界であろが、暴力があってはならない。決して。それは大原則である。

その上で、今回の日馬富士関の問題について「診断書」の取り扱いに関して担当医が反論しているとの記事を読んだ。

書かれているような「診断書」を巡って起るトラブルは実は日常にも起こり得ていて、
こと政治の世界や著名人ともなると、頻繁とは言わないまでもそこそこ起っていたりする。

「被害届」を出されたり、裁判で「訴えられる」というのは、結論が違っていたとしても決して人聞きがよいものではないので、皆言わないが、だからこそ密かに困っている人は多いのではないか。

ある日突然、裁判所から多額の損害賠償額が記された書面が送られてくる。
例えば、子どもが友人と喧嘩をしたとか、犬がうるさい、すれ違った時に転んだ等々…。

そうした中には正当な訴えも多いことだろう。
しかし一方では「難癖」や「嫌がらせ」的なものもあり、目的が別なこともある。
それがわかっていたとしても、「裁判」という形を取られると誰だってひるむ。
添付された「診断書」には「頭蓋骨骨折」「内臓破裂」等々の文字。それを見た瞬間、クラクラして、平常ではいられなくなる。

相手方の怪我等の状況は大丈夫なのだろうか。
日常に支障があったらどうしよう。何ができるのだろうか。謝罪は?コンタクトは直接とって良いものか。
そして、損害賠償請求の額を見て、驚き、慌てる。
診断書に書かれた内容を詳しく見る余裕はない。

「よく見て下さい。診断書に書かれているのは、あくまで『疑い』ですから。レントゲンなんかを取る時に理由がないと医療行為はできないし、保険点数が出ませんから『疑い』とするんです」

弁護士に促されて、よくよく見ると確かに「疑い」と書かれているではないか。

カルテの開示をしてみると「内臓破裂(の疑い)」の日に出している薬がアトピーの薬だったり(笑)日程を詰めて行くと「頭蓋骨骨折の疑い」の人が、その診断を受けた後にプールで泳いでいたことがわかる、などなど「疑い」の範疇の広さに、驚くことになる。

結果的に相手方からの損害賠償請求は取り下げ、というパターンで、訴えられた側は一体何のために時間と弁護士費用をかけたのか、わからないという結果に至る、こともままある。

「疑い」の前に書かれた文字。
これが強ければ強いほど、それが動かし難い事実のようにも思えてきて、一方で「疑い」の印象が薄まる。

冒頭でも書いたが、暴力は決してあってはならない。
しかし冤罪を作り上げることもまたあってはならない。

冷静に事実を積上げることこそが、今起っていることが何に起因することなのかを語るのだ。

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