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ポピュリズムとカメレオン政党

 カメレオンは、状況によって体色を変化させ、背景に溶け込んで見つかりにくくする能力を持っている。大衆が感情的に動き、それが一定の「世論」を形成するとき、その大衆からの集票を目的に、主義主張、信条、政策をかなぐり捨てて、その「世論」に阿る政党が出てくる。そのような政党をカメレオン政党と呼びたい。そして、そのような政党の無節操な動きがまた、ポピュリズムを増幅させる。吹く風に身も任せて右に左に揺れるのであるから、心棒も何もない。ただ、選挙に勝ちさせすればよいという魂胆である。

 ヨーロッパは、今、移民排斥が大きな争点となり、右傾化、ショービニズムの跋扈が懸念されているが、その流れを担っているのは、ヒトラーのナチズムにもつながるような外人排斥・自国民第一主義を政策とする極右政党である。フランス、ドイツ、オーストリア、イタリアなどで右翼ポピュリスト政党が躍進している。

 これらの政党は極右政党であるが、カメレオン政党ではない。カメレオン政党は、極めて日本的な現象である。つまり、これらヨーロッパの極右政党と日本のカメレオン政党は、ともにポピュリストであっても中身は違う。少なくとも、前者には主義主張や政策の一貫性がある。しかし、後者は政策はそっちのけで、そのときどきの世論の動きばかりを追う。また、トップが変心すればその方向に動くという点で独裁的で、有権者にとっては、予見・計算不可能な政党である。その典型例が、昨年来の都議会公明党の動きである。

 2016年には、イギリスが国民投票でEUからの離脱を決め、アメリカ大統領選ではドナルド・トランプ氏が当選した。欧米先進国におけるこれら一連の動きは経済格差を背景にしたポピュリズムである。日本の政治の動きは、安倍安定政権の下で、これら欧米先進国とは異なっている。しかし、人々の間に政治に対する高揚感が欠如していることもまた事実であり、それはそれで大問題である。大衆は「パンとサーカス」に満足し、世界の潮流にもあまり関心を示さない。マスコミでは聞くに堪えない井戸端会議が際限なく展開されている。その間にも、日本は世界の潮流から取り残され、衰退の一途を辿っていく。

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