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  • ヒロ
  • 2017年11月13日 10:00

今はバブルなんかじゃない

この数年、静かな話題になっているのが大阪府立登美丘高校ダンス部の「バブリーダンス」。荻野目洋子さんの曲を中心にしたダンスですが、一度見たら絶対に忘れられないキレキレダンスと異様な姿にバブルのイメージとはこんなものだったかと思わず振り返らざるにはいられません。(YouTubeですぐに検索できます)

なぜ、今頃バブリーダンスかと言えばこの高校生たちのご両親はバブルを経験しているギリギリ世代で子供たちに「あの頃は…」という話を言って聞かせたからでしょうか?最近、20代前半ぐらいの方たちとバブル時代の話をしていたら「タクシーって1万円札ひらひらさせないと乗れなかったんですよね。」というので思わず「私は六本木交差点で1000円札しか出さなかったけどタクシーの運転手は目ざとくそれをめがけて止まってくれた」と訂正しています。いつの間にかバブルが10倍になっていてこれぞ本当のバブル話です。

さて、バブル経済は何だったのか、と小難しいことは抜きにしますが一言でいえば資産価値が本来あるべき価格からかけ離れた時、バブルと称するということです。資産の価値ですからそれこそ、オランダのチューリップが元祖バブル、日本では80年代の不動産と株バブル、今世紀初頭には日米などでITバブル、アメリカの住宅バブルは2006年にピークをつけました。

いま、世界株高で不動産も日本以外は狂ったような価格になっていますが、バブルなのでしょうか?私はバブルになっていないと考えています。

「日経スタイル」のマネー欄に一橋大学大学院藤田勉教授が「バブルは10年に1度 歴史が語る崩壊の予兆」という記事を掲載していました。教授はバブルは大体10年に一度やってくるから気をつけなさい、という趣旨で、現状にあまり踊りすぎないようにとの戒め記事であります。ただ、その教授も日経平均は3万円を目指すだろうと締めくくていますが。

その記事の中で「崩壊しないバブルはない」と指摘しています。これは裏付けのないものは必ず壊れるという趣旨であります。永遠の右肩上がりはない、とも一般には言われます。

実は下の表はバンクーバーの不動産価格の歴史的推移です(Vancouver Real Estate Boardより)。ご覧いただけますように概ね1986年の万博を機に当地の不動産価格は上昇を続け、何度となく「もうこれで終わり」「崩壊する」と叫ばれましたが一向に崩壊しません。

画像を見る

この表を見ると近年の上げ率が急上昇しているから危ないだろうと思われると思いますが、対数のチャートに落とすとそうでもないことが分かるはずです。既に30年近く右肩上がりを描くバンクーバーの不動産は藤田教授の定義からすればバブルではありません。何故なら崩壊していないからです。

つまり、実態からかけ離れているのかどうか、これを判断することがバブルか否かのポイントではないかと思うわけです。そして日本とアメリカのバブルの際の共通点は「女も子供も踊り狂った」ということであります。言葉に語弊はありますが、誰でも簡単に儲けられることができた一方で価格はロシアンルーレット状態にあったということかと思います。

現在の日本の株価はPERでみれば15倍程度です。これはアメリカと比べてまだ低く、株価の尺度としては許容範囲です。これはどう読むかと言えばPER15倍=利回り6.7%と計算できますが(1÷15)、これは市中の金利に比べて投資リスクを考えても許容できるか、という比較であります。PERが20倍とは利回り5.0%ですからこれは株式ではかなりリスクが高い一方、不動産ならキャップレート=利回り3%台も多い欧米の優良物件は不動産リスクをかなり低く見積もっているということになります。

日本ではちょっとしたアパートを売買しようとすればいまだ利回り6-7%と不動産屋に囁かれます。売る方はとんでもなく安値となり、買う方はウハウハであります。私が世界水準と比べて日本の不動産は激安と申し上げているのは不動産屋の基準がバブル崩壊後にマインドも崩壊していると申し上げておきます。

さて、日本がバブルではないのは20年にも及ぶ失われた時代に資産価値も失われた為にその修正のサイクルに入っているだけ、ということであります。そのうち、ゴルフ場や絵画も値上がりしてくるはずですが、ある程度は許容できるはずです。それはこれぐらいで崩壊するほど日本経済は柔ではないからです。

むしろバブル世代の人たちがリタイアし、ようやく新しい世代が日本を引っ張っていくようになりました。これはしがらみが取れたとも言えます。今は新興企業に勢いがありますが、大手企業も気づきがはいり、大きく経営転換するはずです。そうすれば日本はしばし繁栄の時を迎えられるとみています。

バブルかどうかのメジャメントはバブルを経験した人たちが作っています。今はそれを知らない若者たちが引っ張る時代です。それは登美丘高校のバブルダンスがバブルを知っている私から見たらなんか違うと思うように同じ道を辿ってはいないとも言えます。日本の景気は季節感覚でいえば今ようやく春めいてきた、というところに位置していると思っております。

では今日はこのぐらいで。

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