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激震マレーシア マハティール神話見直し

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■ インドネシア副大統領も訂正・謝罪要求

さらに11月7日には、隣国のインドネシアユスフ・カラ副大統領までもが「ブギス人としてショックを受けるとともに、マハティール元首相も発言は侮辱でもあり、訂正と謝罪を求める」と不快感を示し、外交問題にもなりかねない状態になっている。

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▲写真 ユスフ・カラ インドネシア副大統領 出典:Government of Indonesia

カラ副大統領は南スラウェシ州マカッサル出身のブギス人として知られ、元首相の発言が副大統領自身、身内、ブギス人全体に対する見過ごすことのできない侮辱であるとの立場を明らかにしている。

インドネシア国内のブギス人団体は今のところ表立った抗議は表明していないものの、カラ副大統領の要求に今後マハティール元首相側がどう対応するのか、その成り行き次第では今後さらに反マハティールの声が高まることが予想されている。

■ 30年前の弾圧事件でも謝罪要求

こうした「ブギス発言」への反発に加えて、11月2日にはマレーシア地元紙によると、著名な社会活動家イリーネ・フェルナンデス(Irene Fernandez)さんの娘タニヤさん(Tania Jo Maliamauv)がマハティール元首相に対して1987年10月27日から始まった治安部隊による弾圧事件「ララン作戦」の公式謝罪を要求していることを伝えた。

この「ララン作戦」はマハティール政権の不良債権、憲法改正、与党内部の内紛などで反政府色を強める野党関係者、社会活動家、NGO幹部など106人が検挙され、新聞や雑誌が発禁処分を受けた事件である。大半の検挙者は60日以内に解放されたが、マハティール首相の政敵とされた中国系野党「民主行動党(DPA)」のリム・キットシャン(Lim KitShang)=現党顧問=も当時約2年拘留された。

報道によるとタニヤさんは「当時の事件について責任追及も謝罪もない。当時関係した政治家としての誠意の問題だ」として当時のマハティール首相に謝罪と責任の所在の明確化を求めているという。

30年前の事件に関するこうした動きがなぜこの時期突然浮上したのかは明らかではないが、タニヤさんと一緒に謝罪を求めている当時拘留され、暴行を受けたという女性活動家は「現政権を批判して野党勢力として総選挙に臨もうとしている以上、マハティール氏にはこうした過去の問題にけじめをつけてほしい」と同紙に話している。

マハティール元首相が謝罪要求を突きつけられている「ブギス発言」に「30年前の弾圧事件」とは一見関係ない二つの事案に見える。だがいずれも長期政権を維持し、「日本に見習えというルックイースト(東方政策)」などでマレーシアの経済発展に大きく貢献したという国民の間の根強い「マハティール神話」を崩す、あるいは見直そうとする動き中でとらえると、背後にナジブ政権の思惑が見え隠れしていると地元記者は解説する。

そのナジブ首相は国営投資会社ワン・マレーシア開発(1MDB:1Malaysia Development Berhad)に関連した不正資金流用問題での野党や欧米の厳しい追及もなんとか無難に交わし、与党基盤を強化しながら来年8月予定の総選挙の前倒しも画策しているという。

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▲写真 1MDB CEO Arul Kanda氏 出典:1MDB HP

一連のマハティールへの攻勢で野党勢力の弱体化や亀裂、神話の翳りが今後広がれば、そのタイミングで総選挙に踏み切り「野党の伸長を抑え込む」のが狙いという。マハティール元首相の今後の対応を見据えながらマレーシア政局はさらに流動的になってきた。

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