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委員会における与野党の質問時間の配分問題を考える視点

自民党が野党第一党の立憲民主党に対して、与野党の質問時間を5対5にして、これまで野党側に配分してきた質問時間を削減したいと申し入れてきたそうだ。

従前の質問時間は、野党が8与党が2、と圧倒的に野党の質問時間が多いから、与党の国会議員にも質問の機会を与えたい、というのが直接の動機のようだが、与野党の質問時間の配分の見直し問題を提起するのはいいが、提案の中身が悪い。
悪過ぎる、と言っていいだろう。

丁寧に審議を尽くす、謙虚に国会の審議に臨むと言いながら、やはり自民党の驕り昂りは免れないようだ。
国会で積み重ねてきた慣行にはそれなりの背景と理由があるのであり、単に先の衆議院選挙で大勝したからと言って簡単に従前の慣行を破棄していいものではない。

国会の委員会における国会議員の質問は、事実としては質問する国会議員個人の質問ではあるが、国民の代表者たるべき国会議員が国民を代理し、国民の代表として質問しているのだということにもっと思いを致すべきである。

国会議員の皆さんの一人一人が国民の代表者だという厳粛な事実を十分自覚し、襟を正していただきたいものである。

正当な理由なく国会議員の質問権を制限してはならないし、その逆に、国会議員の質問権の行使の名を借りて、委員会の場で国民の代表者としてはおよそふさわしくない言動をしてはならないことは、理の当然であろう。

議院内閣制の下では、内閣提出の法案については法案の作成から提出の間に与党の内部で細部にわたって質疑を尽くされているのが本来で、個々の与党の国会議員の質疑権は、与党内での法案審査の過程で十分保障されていると言っていい。

これに対して、野党の国会議員は、法案が国会に提出されてから初めて法案の審議に参加するのだから、委員会での質疑では、与党の法案審査に関われなかった野党の国会議員により多くの質問時間を配分するのが当然ではなかろうか。

国会は、与党の国会議員と同じく国民の代表者である野党の国会議員により多くの質疑時間を配分することによって、国権の最高機関として位置付けられている立法府としての国会の役割を果たしている、と言ってもいいのではないかと思っている。

与党内での事前審査と、国会の法案が提出された後の委員会での審議をほぼ同等に位置付ければ、委員会での質問時間は、野党が7.5、与党が2.5ぐらいが丁度いいのではないかしら。

ご参考までに。

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