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NHK無縁社会 - 人はつながりの中に自分の存在や役割を感じられて初めて生きていける

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 一昨日、NHKスペシャルで「無縁社会 - 新たな“つながり”を求めて」が放送されました。

 「無縁社会」については、このブログで2度レポートしています。(①NHKスペシャル「無縁社会 -無縁死3万2千人の衝撃」 -壊れる家族・地域・仕事
②NHK「無縁社会」の衝撃 - 若者を無縁社会の悪循環に追い込む自己責任社会


 今回は、20代や30代など働く若い世代の無縁化に焦点をあてています。同じNHKスペシャルの「ワーキングプア」のシリーズでは、貧困状態の中でもなんとかそれぞれの働く姿があったわけですが、この「無縁社会」では「職場」も「家族」も「地域のつながり」も失われ、自分の居場所さえもない「死に追い詰められる人たち」の姿がありました。「人はつながりの中に自分の存在や役割を感じられて初めて生きていける」という「人間が生きていく前提」さえも今の日本社会では失われ、国は「生存権」を保障する責任を放棄しているということです。「生きさせろ!」(雨宮処凛さん)と叫びたくなったし、全員参加型の希望のもてる日本社会につくりかえなければ「日本社会はもたない」とも思いました。(※いつものように私の適当な要約メモの上、後半力尽きましたこと御了承を。byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)

NHKに届いた1万4,000人の声



 「無縁社会」の放送から、NHKに届いた1万4,000人の声――

 「誰も助けてくれる人はいません。もう限界です。孤独で耐え切れなくて心が折れそうです」

 「まるで心の中は無人島で暮らしているに等しいです。孤独そのものです。私が死んでも誰が気づいてくれるのでしょうか」(51歳、男性)

 「苦しい夜は電話をかけます。つながらなくても呼び出し音だけで、つながれているような気がしています」(27歳、女性)

 ――番組には意外にも多くの若い世代の人たちからの声が寄せられました。

 「私は20代の男です。正直ちょっとさみしくて自殺のことがよぎる時もあります。なんでもいいんです。まわりからいっぱい声をかけて欲しいです」

 なぜ、家族や仕事という、本来はつながりを持っているはずの20代から50代の働き盛りの世代が、無縁社会におびえているのでしょうか?

“働き盛り”に広がる無縁社会



 「私は40代です。仕事に就くことができません。死ぬほどつらいと毎日1分1秒思っています」

 本来、社会の中核をになう世代に、いったい何が起こっているのでしょうか? そして、つながりを失って自ら命を絶つ人も後を絶ちません。「お手数かけます。私は天涯孤独の身の上です」と書き置きして自殺した働き盛りの無縁死――。

 「私は現在38歳で、非正規雇用で働いています。時給で働く毎日でいきがいを感じていません。本当に誰に相談していいのか? 誰に助けを求めればいいのか? 本当に私はどうしたらいいのでしょうか?」――このメッセージを寄せた独身女性のSさん(38歳)。契約社員としてデパートの子ども服売り場で働いています。大学を卒業後、正社員として働いていましたが、リストラにより失業。その後、短期契約の非正規の仕事しかありません。「私にとっての無縁社会は“職の縁”がない、安定した仕事をつかむことができないことです。このまま老後を迎えたらどうしようとか、不安で切実に寂しいと思います」と語るSさん。

 独身男性(49歳)は、「6年ほど前に介護していた父が亡くなり、それ以降、独り暮らし。まったく孤立していまして、団地なんて犬や猫も飼えないし、本当に寂しい人生です。初めて独り暮らしになり、こんなに寂しいものなんだって身に染みています。誰も話し相手がいないことが、こんなにもつらいものなのだということが初めてわかりました」

 1万4,000人の声の中には、遺言が書かれた手紙がありました。――「突然のお便りを失礼します。この手紙が届いたら、私は孤独死か事故死しています。私は頼れる人がいない無縁社会の1人です。私のような30代でもこうした最期を迎える事実をお伝えしたくてお便りしました」

 この手紙を書いた新潟出身のYさん。上京して20年あまり独り暮らしをしています。機械メーカーで正社員として働いていましたが、バブル崩壊直後に失業。その後、派遣の仕事で首都圏各地を転々としてきました。親族もおらず、4年前、からだを壊し派遣の仕事もできなくなりました。東京で友人はできず、新潟にも帰るところはありません。もう人生を終わりにしたい。駅のホームに何時間も立ち尽くし、何度も電車に飛び込もうとしたといいます。

 「私って誰にも必要とされていないんじゃないかって。何してもほんとに役に立たない。もうそれだったら終わりにするしかないのかなって」と語るYさん。

 去年9月、Yさんの住む団地で孤独死がありました。同じ団地に住む50歳の独身女性で死後10日間発見されませんでした。「自分も同じように独りで死んでゆくのではないか。このまま誰にも知られず死んでゆくのはどうかなと思って、生きた証しにつづった遺言だったのです」「私の死後は、もし叶うなら東京ではなく、生まれ育った新潟の海へ散骨して欲しいです。小さい頃に育った新潟の海に還りたい、これが私の気持ちです」とYさん。

 私たちと会ってから2カ月。Yさんは孤独な暮らしを変えようとしていました。地域とつながりを持ちたくて、地域周辺の掃除を始めました。しかし誰にも声をかけられませんでした。

 Yさんに初めて声をかけてくれたのは、近くの小学校に通う子どもたちでした。「子どもたちを喜ばせたい」と思い、カブトムシの幼虫を育てて、地域の子どもたちへのプレゼントとして届けました。子どもたちから、Yさんに宛てた感謝の手紙が届き、Yさんは自分が独りではないことを実感しました。

 このように、働き盛りの世代にも無縁社会はひろがっていました。非正規労働、単身化、生涯未婚――社会の変化の中で、その中核となるはずの人たちが、独り孤独におびえ、もがき続ける姿が見えてきました。

 取材を進める中で、将来を担う10代にまで無縁社会がひろがっていることがわかってきました。

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