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敵は政治や経済でなく経営にあり

 今日、先進国で続発するデモの要因は過度な「富の集中」である。富の集中は、多くの場合、官民二つの要因の複合によって起こる。

1.経営者の報酬の高騰と一般社員の賃金低下。

2.累進課税、資産や株式への課税の緩和など富裕層優遇税制の推進。

 どうも2の問題を議論し、政策変更を求める意見は多く聞くのだが、原因の根本は1にあり、この問題を解決しなければ「富の集中」の問題は解決しないのにもかかわらず、この問題を指摘する人は少ない。

 なぜ、労働者の賃金が下がり続けているのに経営者の報酬は上昇し続けているのか?

 これまではグローバル化による先進国のブルーカラーの賃金低下が問題であったが、今日的には先進国の中産階級を担う企業のホワイトカラー層の失業や賃金低下が問題になっている。

 それは企業の評価が、一部の経営者の強いリーダーシップとスピーディーな決断によって決まるという経営思想が定着し、社員のマンパワーやボトムアップによる品質改善運動などが軽視されるようになった結果と言える。

 その結果企業は、優秀な人材の確保や育成に不熱心になり、優秀な経営者の指示を実行できる少数の専門スタッフを用意できればそれでいいという傾向が顕著となった。 この問題は単に既存社員の賃金低下という問題だけでなく、企業の新卒者の雇用意欲の減退という問題にも繋がっている。

 蛇足だが、この思想は政治へも伝播。民主主義のプロセスが「大衆迎合を招き国民に厳しい決断ができない」とか、「時間がかかる」等と批判され、優秀な為政者による強いリーダーシップとスピーディーな決断を待望する機運を高めている。

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