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- 2017年11月09日 16:11
化けの皮が剝がされ始めた異次元の金融緩和
「デフレ脱却が達成できない根本的な原因としては『理論を日銀の執行部が理解していない』ことを挙げ、『現状を総括してきちんと責任を取る必要がある』と批判」安倍政権に近いところから、ようやくまともな意見が出てきた。付け加えるとすれば、「理論を日銀の執行部が理解していない」ということに加えて、岩田副総裁が掲げてきた理論が机上の空論に過ぎない誤った理論だったという面も大きい。
(9日付Bloomberg 「日銀執行部は退任を、体制転換なくデフレ脱却ない-本田スイス大使」)
「13年1月の政府と日銀の共同声明の全面改定も主張」
異次元の金融緩和の諸悪の根源はこの「共同声明」。ここに立ち返って議論することは必要不可欠だ。
総選挙で自民党が圧勝したことで異次元の金融緩和継続、黒田総裁続投という「根拠なき熱狂」が沸き起こったが、
「日銀が9日公表した10月30~31日開催分の金融政策決定会合の「主な意見」で、株価指数連動型上場投資信託(ETF)などのリスク資産の購入について政策委員から副作用を懸念する声が出ていたことが明らかになった」という報道も出て来ており、異次元の金融緩和は曲がり角に来ていることは間違いない。
(9日付日経電子版 「日銀内でもETF 買いの副作用懸念 10月会合主な意見」)
事実上「2%の物価安定目標」の無期限延期に追い込まれ効果のないことが明らかになった異次元の金融緩和政策を検証して見直すのは Plan-Do-Check サイクルからみても至極当たり前の話。異次元の金融緩和の出口は、ポスト黒田総裁のもとで議論されることになりそうだ。