- 2017年11月06日 09:08
【読書感想】バカ論
1/2- 作者: ビートたけし
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/10/13
- メディア: 新書
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Kindle版もあります。
バカ論(新潮新書)
- 作者: ビートたけし
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/10/20
- メディア: Kindle版
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内容(「BOOK」データベースより)
相変わらずバカがのさばる世の中だけど、これ以上、黙って見ているのはゴメンだね―。「男女の関係はあったのか?」なんて間抜けなことを聞く芸能レポーター、「この責任をどう取るつもりか」と偉そうに語るコメンテイター、「やりたい仕事が見つからない」と口先で嘆くだけの若者…。迷惑なバカから笑えるバカ、愛すべきバカまで、バカを肴に芸論や人生論を語り尽くす。原点回帰の毒舌全開、ビートたけしの「バカ論」!
ビートたけしさんの著書、というか、たぶん聞き書きだと思うのですが、たけしさんがいろんな「バカ」をメッタ斬りしていくところは痛快ながらも、まあ、そんなに目新しい話でもないな、という気がしました。
なんのかんの言っても、たけしさんも、もう70歳。
現役で大活躍されているとはいえ、ちょっと古い考えなのでは、と感じるところもありますし、周りも、あまりにも大物過ぎて、遠慮してしまうところもあるのではないかと。
(「一応総活躍社会」なんてうたいながら)それで今度は「働き方改革」だから参っちゃうね。一体、「もっと働け、活躍しろ」ということなのか、それとも「あまり無理をせずに、もっと休みましょう」ということなのか、どうもやりたいことがよくわからない。
ブラック企業が問題になったり、電通の新入社員が「過労死」したりして、残業や待遇など労働環境をあらためましょう、というのが「働き方改革」。
でも所詮、絵に描いた餅に過ぎない。
そのために役人が考えたのが、「月末の金曜日は仕事を早く切り上げよう」という「プレミアムフライデー」とか、休暇を分散しようという「キッズウィーク」とか、わけのわからないものばかり。やっぱり役人はズレているとしか言いようがない。
「プレミアムフライデー」なんて、もっともらしい横文字を使っているけれど、要は仕事を切り上げて、その分、財布の紐を緩めて金を遣わせようという魂胆だろう。飲食業界や旅行業界が、もっともらしい理屈を作って、役人と結託して考えたとしか思えない。
「もっと休みましょう。もっと遊びましょう」とか、余計なお世話だ。いくらそんな号令をかけても、貧乏人は貧乏人のまま。休みが増えてしまったら、より貧乏になるだけ。なんで「もっと働かせろ。俺たちも活躍したいんだ」というデモが起きないのか、不思議でならない。
それなのに、新橋あたりで夕方から飲んでるサラリーマンを捕まえて、「プレミアムフライデー最高!」なんてニュースでやっているけど、バカ言ってんじゃないよ。そのビールを運んでいる奴は、ヒーヒー言って働いてるわけでさ。
この「プラミアムフライデーって言っても、人が『遊ぶ』ためには、その遊び場で仕事をする人が必要になる」っていうのは、たしかにそうだと思うんですよ。
ただ、この本を読んでいると、たけしさんというのは、ずっと仕事や勉強や遊びに没頭し、1日3時間くらいしか寝なくても平気、という人みたいで、ナポレオンみたいなワーカホリックというか、大部分の人と「時間の使い方」とか「疲れ」の感覚が違う人なのだということがわかります。
だから、たけしさん基準での「働きかた」を受け入れられる人のほうが少数派なんですよね、たぶん。
この本を読んでいて面白かったのは、たけしさんが「バカ」に毒舌を浴びせる部分よりも、人生相談や思い出話などで、「素に近い面」がにじみ出ているところでした。
最近は弟子になりたい。芸人になりたいという奴とあまり話す機会も少なくなったけど、それでもたまに「どうしたら漫才師になれますか?」なんて聞かれることがある。
バカ言ってんじゃない。
漫才師になるために金を払って学校に入る奴もいるけど、おいらの場合は、流れ着いたところがたまたま芸人だったというだけ。結果的に漫才師になっただけで、なろうと思ってなったわけじゃない。
大学の機械工学科でレーザーの研究をやろうと考えていた男が、なんで漫才師になったのか--それをまともに説明できる理由なんか、いくら考えてもないんだ。
挫折して挫折して、折れて折れて、辿り着いたのが浅草で、そこで偶然漫才師になった。おいらはそうやって流れ着いたけど、時代も状況も文脈も違う奴らに「どうすればなれますか?」と聞かれても、答えようがない。
これって、真摯な答えだと思うんですよ。
「どうしたらなれますか?」って、芸能の世界には、資格や入社試験があるわけではない。
たけしさんが、こんなふうに自身で、大学をドロップアウトしてから、浅草フランス座を経由し、漫才師になるまでのことを自分で語るのことって、あんまりなかったような気がするんですよ。
それぞれの瞬間には、それなりの「理由」があったのだとは思うけれど、「偶然」そうなってしまった、というのが事実なのでしょう。
もともと、「大学の機械工学科でレーザーの研究をやるつもり」だったのか、たけしさん。
たけしさんからみた、タモリさんや鶴瓶さん、そして、明石家さんまさんというのも書かれているんですよ。
ここまで率直に、他の大物芸人のことを語るのか、と驚きました。




