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高齢者の再犯防止 社会的な孤立を防ぐ支援を

日本の刑事司法にとって、高齢の犯罪者の再犯防止が重要課題になっている。2015年9月現在で65歳以上の高齢者の割合は約27%であり、今後さらに増えるとみられ、対策は急務になっている。

1996年以降の約20年で、刑法犯として起訴された人のうち前科のある人の割合は、65歳未満が47~53%台で推移してきたのに対し、高齢者は63~72%と高い。

政府は高齢者の再犯防止策として、社会的な孤立を防ぐ方策を検討している。高齢者の犯罪の多くは窃盗であり、再犯も窃盗が多い。住む家と仕事がないことで孤立感を深め、生活に困って窃盗を繰り返す現実がある。政府が年内の策定をめざす再犯防止策で具体策を示してほしい。

高齢者の再犯防止は社会全体の取り組みが大事だが、特に捜査段階から関わり、起訴や不起訴を決める検察の役割は重要である。

検察官は、再犯防止と早期の社会復帰の可能性を念頭に置き、支援する家族や職場がある場合は起訴猶予にできる。また、裁判で執行猶予が見込まれる場合、検察官が再犯の恐れがあると判断すれば保護観察付き執行猶予を求める求刑をすることもある。

さらに、社会福祉士など福祉施策に詳しい職員を配置しいる地方検察庁もある。そこでは高齢の容疑者の実情に応じた支援を検討する体制も整えられている。検察庁は今月、全国の地検で社会復帰の支援などを担当する職員を対象にした研修会を初めて開催するなど、再犯防止に本腰を入れている。

地検の職員は、検察官が刑務所よりも社会内での処遇の方が更生に役立つと判断した高齢の犯罪者に対し、生活保護の受給や宿泊所への入所などの相談に乗るだけでなく、そのための手続きに同行もする。こうした“寄り添う”姿は、政府が3月にまとめた「高齢者および精神障害のある者の犯罪と処遇に関する研究」に紹介されている。

高齢者と犯罪の関係については、高齢で仕事を失ったことや、やりがいのある活動に出会えないことへの不満が犯罪の契機になっているとの研究もある。こうした高齢者の心のひだに触れる支援を期待したい。

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