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- 2017年11月03日 05:34
コネはSNS時代にどう変わる? ネットワーキング・スキルの磨き方
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コネという言葉を聞いて、皆さんはどう感じますか?
(ああ、嫌な話題だな)
そう思う人も多いでしょう。そういう僕もコネと聞くと嫌悪の念を抱きます。
「コネ社会は、世の中の不公平の象徴だ!」
そういう意見に僕は大いに同情します。
しかしコネには、もうひとつの側面があります。それは不確実性に満ちた社会で、なんとかその不確実性を最小化しようとする人間の自然な心の動きとしてのコネです。つまり「無難だ」、「安心できる」という、好ましい評価もあるのです。
コネは日本だけの現象ではありません。これは後に説明します。
つまり採用する側にも不確実性があるわけです。
コネは、そういう不確実性を軽減する一つの方便と考えることが出来ます。
新卒ではなく、プロフェッショナルの中途採用の場合、顧客からの評判情報が採用のカギを握ります。なによりも、すでにその業界で、名前が轟いていなければいけないのです。
しかし新卒の場合、そういう実績は無いわけですから、おのずと学校名、資格、サークル、その他の手掛かりを利用せざるを得ないのです。
僕は昔、H&Qというサンフランシスコの投資銀行に勤めていましたが、そこの創業会長のビル・ハンブレクトから面白い話を聞きました。
有望な学生を採るために、ビルの出身大学であるプリンストンの教授に電話して「教授の学生の中で一番優秀な奴を紹介してくれないか?」と頼んだのだそうです。そこで恩師は、「それじゃあ今、ロード奨学金を得てオックスフォードに行っているダン・ケイスという学生を紹介しよう!」と言い、インターンシップをアレンジしたのです。
のちにダン・ケイスはH&Qが企業存亡の危機に瀕したミニスクライブ事件(H&Qが主幹事を務めていた企業で不正会計が発覚した事件です)の際、八面六臂の活躍でH&Qを救い、CEOに上り詰め、最終的にH&QをJPモルガンに売却しました。
つまりコネで採る人間が、すべてダメでは決してないのです。
もうひとつ例を挙げると、イギリスにカザノブ証券というブティック証券がありました。カザノブ証券は企業の財務部に対して、資本政策や株式市場絡みの助言をする、リテイナー(顧問)のような投資銀行です。その業務内容からして、いわゆるオールド・ボーイズ・クラブのような雰囲気を漂わせています。
そこでは人脈がすべてなので、採用もイートンなどのパブリック・スクール(私学)出身者だけに限っていました。彼らの大半はジェントリ(地主貴族)です。
1970年代に初めてカザノブが公立の学校を卒業した庶民をパートナーに昇進させたとき、本人が郊外の団地に住んでいたので「団地はだめだ。農園を買ってファームハウスに住みなさい」と強要したそうです。つまり外見だけでもジェントリを真似することを強いたのです。そうした理由は、カザノブの、スノッブな評判が、「庶民」のパートナーを迎え入れることで崩れることを恐れたからです。
評判は、我々がモノを買うときや人材を採用する際、もっとも重要な要素のひとつです。ただ単に値段を比較するとか、商品のスペックを比べるだけでなく、我々は「BMWのDNA」とかに象徴される、評判に、知らず知らずの間に意見を左右されているのです。
もちろん、評判は会社を訪問する学生の側でも気にします。最も優秀な学生は、大体、評判の良い会社を目指します。悪評の立っている会社は避けます。
良い企業の製品やサービスはプレミアム価格を付けることが出来ます。だから結果としてマージンが高くなるし、企業の経営は健全になります。
グーグルが、そういう方針を打ち出したとき、困惑と衝撃がシリコンバレーに走りました。「それは、シリコンバレーの起業家精神に反する!」とグーグルを批判する意見も強かったです。
なぜならシリコンバレーではヒューレット・パッカードやアップルがガレージで創業した事例のごとく、ハンダゴテ持って、ああでもない、こうでもないと色々工夫する末にプロダクトに辿りつくという、ある種の美意識があり、そこは学歴など関係ない「経験主義」が幅を利かせていたからです。
しかしグーグルはシリコンバレーに所縁の無い若者たちが始めた会社なので、「シリコンバレーの慣習」を、はじめから無視したのです。
(ああ、嫌な話題だな)
そう思う人も多いでしょう。そういう僕もコネと聞くと嫌悪の念を抱きます。
「コネ社会は、世の中の不公平の象徴だ!」
そういう意見に僕は大いに同情します。
しかしコネには、もうひとつの側面があります。それは不確実性に満ちた社会で、なんとかその不確実性を最小化しようとする人間の自然な心の動きとしてのコネです。つまり「無難だ」、「安心できる」という、好ましい評価もあるのです。
コネは日本だけの現象ではありません。これは後に説明します。
【これまでのコネ】
就職活動で皆さんは面接に行くわけですが、採用する側からすると、ちょっと話をしたくらいでは、人物は見抜けません。ちゃんと五次面接くらいして、慎重に採用した人材が、入社早々すぐやめることもしばしばあります。つまり採用する側にも不確実性があるわけです。
コネは、そういう不確実性を軽減する一つの方便と考えることが出来ます。
新卒ではなく、プロフェッショナルの中途採用の場合、顧客からの評判情報が採用のカギを握ります。なによりも、すでにその業界で、名前が轟いていなければいけないのです。
しかし新卒の場合、そういう実績は無いわけですから、おのずと学校名、資格、サークル、その他の手掛かりを利用せざるを得ないのです。
【海外のコネの事例】
コネによる採用は、何も日本に固有の習慣ではありません。僕は昔、H&Qというサンフランシスコの投資銀行に勤めていましたが、そこの創業会長のビル・ハンブレクトから面白い話を聞きました。
有望な学生を採るために、ビルの出身大学であるプリンストンの教授に電話して「教授の学生の中で一番優秀な奴を紹介してくれないか?」と頼んだのだそうです。そこで恩師は、「それじゃあ今、ロード奨学金を得てオックスフォードに行っているダン・ケイスという学生を紹介しよう!」と言い、インターンシップをアレンジしたのです。
のちにダン・ケイスはH&Qが企業存亡の危機に瀕したミニスクライブ事件(H&Qが主幹事を務めていた企業で不正会計が発覚した事件です)の際、八面六臂の活躍でH&Qを救い、CEOに上り詰め、最終的にH&QをJPモルガンに売却しました。
つまりコネで採る人間が、すべてダメでは決してないのです。
もうひとつ例を挙げると、イギリスにカザノブ証券というブティック証券がありました。カザノブ証券は企業の財務部に対して、資本政策や株式市場絡みの助言をする、リテイナー(顧問)のような投資銀行です。その業務内容からして、いわゆるオールド・ボーイズ・クラブのような雰囲気を漂わせています。
そこでは人脈がすべてなので、採用もイートンなどのパブリック・スクール(私学)出身者だけに限っていました。彼らの大半はジェントリ(地主貴族)です。
1970年代に初めてカザノブが公立の学校を卒業した庶民をパートナーに昇進させたとき、本人が郊外の団地に住んでいたので「団地はだめだ。農園を買ってファームハウスに住みなさい」と強要したそうです。つまり外見だけでもジェントリを真似することを強いたのです。そうした理由は、カザノブの、スノッブな評判が、「庶民」のパートナーを迎え入れることで崩れることを恐れたからです。
【評判の重要性】
評判は、おカネより重要です。評判は、我々がモノを買うときや人材を採用する際、もっとも重要な要素のひとつです。ただ単に値段を比較するとか、商品のスペックを比べるだけでなく、我々は「BMWのDNA」とかに象徴される、評判に、知らず知らずの間に意見を左右されているのです。
もちろん、評判は会社を訪問する学生の側でも気にします。最も優秀な学生は、大体、評判の良い会社を目指します。悪評の立っている会社は避けます。
良い企業の製品やサービスはプレミアム価格を付けることが出来ます。だから結果としてマージンが高くなるし、企業の経営は健全になります。
【グーグルの採用革命】
グーグルは「スタンフォードやハーバードなどの超一流大学から採用する」ということを、あからさまに公言した、最初のシリコンバレーの会社です。グーグルが、そういう方針を打ち出したとき、困惑と衝撃がシリコンバレーに走りました。「それは、シリコンバレーの起業家精神に反する!」とグーグルを批判する意見も強かったです。
なぜならシリコンバレーではヒューレット・パッカードやアップルがガレージで創業した事例のごとく、ハンダゴテ持って、ああでもない、こうでもないと色々工夫する末にプロダクトに辿りつくという、ある種の美意識があり、そこは学歴など関係ない「経験主義」が幅を利かせていたからです。
しかしグーグルはシリコンバレーに所縁の無い若者たちが始めた会社なので、「シリコンバレーの慣習」を、はじめから無視したのです。



