記事

外郭団体は縮小もしくは成長の戦略を

東京都の外郭団体改革。前回のつづきです
上山信一特別顧問に聞く②            

2017年10月27日
成長が縮小か 選択肢は二つ
組織再編が必要な団体も

第2の問題は、特命随意契約や非公募型の指定管理者への「安住」だ。

例えば公園、臨海エリアの開発、駐車場など。これらを担う都の監理団体は経営規模も大きく、本来ならば専門ノウハウを活かして特色ある施設運営や集客戦略などが提案できるはずだ。

東京の恵まれた立地の大規模公園なら集客イベントやテナント誘致などダイナミックなパークマネジメントができるだろう。しかし今の東京都公園協会の公園管理は小規模の地方の民間の指定管理者とあまり変わらない。それでいて監理団体の特命随意契約(非公募)になっているのはおかしい。やる業務が民間と変わらないなら競争入札とすべきだ。

ちなみに都庁は、都立日比谷公園(千代田区)について将来像と再整備の在り方を議論する「グランドデザイン検討会」を始めた。大阪市では民間企業から大規模公園の改革案を公募し、丸ごと管理運営を任せている。都の大規模公園についても民間提案を公募するとともに、公園協会の存在意義や位置づけはゼロベースで見直すべきだ。

東京都道路整備保全公社の駐車場管理業務も民間に委ねられる仕事だろう。駐車場は、タイムズなど全国で手広く事業を展開する専門事業者がたくさんいる。他の自治体でも民間譲渡や指定管理で民間に委ねている。今の公社が大きな無駄遣いをしているとは思わないが、公益性を理由に優先的に手掛ける理由は乏しい。

東京臨海ホールディングスは債務処理の過程で作られた持ち株会社だという事情は理解した。しかし、臨海エリア全体の価値を上げる仕事ができていない。民間デベロッパーなら、地域ブランド戦略、羽田アクセスなどの交通対策、企業誘致などを手広くやるはずだ。しかし、ホールディングスは傘下企業の雑務の管理が中心でしかなく、株式会社のありかたとしてもおかしい。港湾局側の意識喚起と合わせて問題提起したい。

都は、施設の規模の大きさや防災上の都合、オリンピック準備などの理由からいくつかの仕事や施設の維持管理を特定の監理団体に特命随意契約で独占させている。各団体が民間にないノウハウや卓越した経営品質を誇るのなら許されるかもしれない。しかし今回のヒアリングではどちらかというと逆の印象を得た。基本的に民間との競争に晒すべきだろう。

そこで勝ち抜けないなら規模の見直しもやむなしだし、生き残りたいなら各団体は専門人材を民間から雇い、積極投資をして卓越した能力を実証する必要がある。その意味で各監理団体には、今後は成長か縮小の2つの選択肢しかないと思う。

○組織発展の目標 第3の問題は、過去の行革でいろいろな団体を統合したため性格の違う多様な事業の受け皿になってしまい、全体の目標が見えにくくなる現象だ。石原都政時代に「天下り見直し」「予算の効率化」「本庁の人減らし」のかけ声のもとで、ミッションが異なる団体が統合された。たとえば東京都農林水産振興財団は農業の研究や花粉対策、緑化などを所管しているが、(元々の農業・ 畜産・林業の試験場に)いろいろな事業を吸収した。

環境公社も廃棄物処理施設の維持管理と環境科学研究所の仕事を同じ組織で担う。性質がかなり異なる仕事を同一の組織で経営する合理性があるかどうか、ものによっては再編が必要だろう。  (つづく)

あわせて読みたい

「東京都」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ロンブー淳「BTSに話聞きたい」

    キャリコネニュース

  2. 2

    服脱ぐ女性ファンも SNSで過激化

    渡邉裕二

  3. 3

    なぜ金持ちはタワマンを嫌うのか

    PRESIDENT Online

  4. 4

    Tシャツ騒動で悪化する日韓問題

    ヒロ

  5. 5

    林修氏 人脈求めるさもしさ指摘

    キャリコネニュース

  6. 6

    音喜多氏 上田都議は対話を拒否

    おときた駿(東京都議会議員/北区選出)

  7. 7

    電車の迷惑行為 リュックが最悪?

    非国民通信

  8. 8

    企業の学歴フィルターは当たり前

    永江一石

  9. 9

    大半の人は簡単なこともできない

    NEWSポストセブン

  10. 10

    養老孟司氏「終活なんて現代病」

    みんなの介護

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。