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北朝鮮を核保有国として認めない点では一致するも、その具体策は各国で対応が分かれる ~「日米中韓4カ国対話」非公開会議 報告~

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国際社会が協力してコントロールしていくことがベストシナリオ

 次にパネリストの1人から、今後考えられる4つのシナリオが提示されました。まず、最悪のシナリオは「北朝鮮を核保有国として認めること」で、そうなった場合、世界の核不拡散体制が崩壊すると語りました。次に、「米国が軍事行動を展開する」シナリオは、それによって北朝鮮をどこまで抑えられるか分からないし、何よりも北東アジアの平和や協力発展が終わってしまうと述べました。3つ目のシナリオとして、「現状維持。世界が北朝鮮を無視、放置すること」を挙げましたが、そうなった場合、北朝鮮は孤立化することによって「何か新たな別の動きを見せるかもしれない」という不確定要素があるとしました。最後に、最も良いシナリオは、「国際社会が何らかの取り決めにより、北朝鮮の核・ミサイル開発をコントロールしていく」ことだとしました。

 その上で、中国も最後のシナリオがベストだと考えているとし、「力で解決しようとすればするほど北朝鮮も反発する。米中露が中心となって関係諸国が猜疑心なく協力を進め、対話による解決を図るべき」と語り、韓国のパネリストと同様にトランプ大統領のアジア歴訪がそのための重要な好機になると期待を寄せました。

北朝鮮を核保有国として認めたら、核不拡散体制は終わる

 日本の別のパネリストは、1994年以降、ずっと対話が失敗し続けてきたことから「『対話による解決』という言葉は美しいが、24年間失敗続きだったことをどう考えるべきか」とし、これまでと同様の対話スタイルを続けることには懐疑的な見方を示しました。また、北朝鮮が核・ミサイルを自国の生存のための戦略と位置付けることを止めない限り、米国が対話でハードルを下げることにも意味はないとしました。

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 さらに、中東、南米にも核保有志向がある国が複数あることを紹介した上で、北朝鮮を核保有国として認めた場合、「それらの国々も続き、世界に核が拡散していく」と指摘。そうした状況になると、「偶発的ではなく、意図的な核戦争もあり得る」とし、そうならないためにも北朝鮮に対しては、「最終手段のオプションとして、軍事行動を念頭に置きながら議論すべき」と主張しました。

圧力にはまだ大きな余地がある

 米国の別のパネリストは、ワシントンは決して北朝鮮の核・ミサイル能力を過小評価していないとしつつ、米朝の軍事衝突については、「未然に防ぐための攻撃に議論が吸い込まれていってしまう」状況なので、政策の戦略的選択が有意義にできない状況になっていると解説。その様々な政策オプションについては、「外交」はむしろ北朝鮮の方が否定的であるし、「対話」も6カ国協議の失敗を考えるとどこまできるか、と疑問を呈した上で、現在やるべきこととして「『圧力』はまだ十分に余地がある。経済制裁はもっとできることがある」としました。また、同盟国が米国に対して抱いている心配を取り除くことや、米国自体の防衛力を高めるための取り組みも必要であると語りました。

核を持つメリットを感じさせないような状況を長期的に作り出していくべき

 韓国の別のパネリストは、「金正恩が自分に危機が迫っている、追い込まれていると感じさせる状況に追い込むには相当な時間がかかる」との見立てを示しつつ、短期的な解決を志向して軍事オプションを取ればソウルの被害は甚大であるため、「それは米国も使いにくいだろう」と述べました。その上で、金正恩総書記が論理的に計算しながら動く人間であるとすれば、圧力をかけつつ「核を持ち出しても米国が交渉に応じない、言い換えれば核を持つメリットを感じさせないような状況を長期的に作り出していくべきだ」と主張しました。

 続いて、ディスカッションに入りました。

北朝鮮を核保有国として認めない点では一致するも、その先の対応は様々

 まず、北朝鮮を核保有国として認めるか否かについては、現行の核不拡散体制崩壊の引き金を引くことになるため、各氏は一様に否定。

 次に、中国の役割については、軍事行動参加の可能性についてはこれを否定する見通しが相次ぎました。一方、経済制裁など圧力強化については、中国国内にも朝鮮族が多数存在していたり、制裁の抜け穴もあるため、その本気度を疑問視する声が寄せられると、中国のパネリストも一定の難しさがあることがあることを説明。

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 その一方で、「米国独自の制裁はともかく、安保理の制裁には取り組んでいるし、『制裁をもっときちんとやっていこう』という議論も中国国内には台頭してきている」と反論しました。同時に、中国には南シナ海問題など他にも外交・安全保障上の懸案事項があるため、国際社会と協力を進めながら役割を果たしていくためには、北朝鮮問題に優先的に取り組めるようになる「良い環境」が必要と主張しました。

 対話については、米国のパネリストから「韓国は戦時体制から移行して、南北対話に取り組む意志はあるのか」との質問が寄せられると、韓国のパネリストは、「文在寅政権中枢にその意志はあるかもしれないが、保守派の反発は大きい。そして実は『左』側からの批判も多い。そもそも北朝鮮が対話に否定的だ」と回答。

 別の韓国のパネリストも、「仮に『朝鮮半島の未来のための対話をしよう』と持ちかけても、それは金体制の崩壊につながりかねないため、乗ってくることはないだろう」と解説しました。

 最後に、北朝鮮の核・ミサイル能力の実戦配備まで時間的余裕がない中、工藤が「米国はどうするのか」と尋ねました。

北朝鮮問題に関して同盟国は米国を信じて安心してほしい

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 これに対し、米国のパネリストは、現在、同盟諸国が米国に対してコミットメントへの本気度を疑ったり、「米国はロサンゼルスを危機に晒して東京やソウルを守るのか。北朝鮮からの核攻撃を恐れ、同盟国である日本や韓国に対する防衛を躊躇するのではないか」という「デカップリング(切り離し)」に対する懸念が高まっていることに対して、「米国は朝鮮戦争で多くの血を流してきた。また、韓国国内には2万5000人、日本国内には4万人を超える米兵・軍属がいる。これ以上のコミットメントがあるのか」、「同盟国のため、また自由と平和を守るために米軍を展開しているし、トランプ大統領も就任以降、伝統的コミットメントに沿うように発言を修正してきている。安心してほしい」などと語りました。

 午前の非公開会議では率直な意見交換が行われ、議論は午後の公開フォーラムに移りました。

⇒ 北朝鮮問題の解決に向けた環境づくりが民間でも始まった ~「日米中韓4カ国対話」を終えて⇒ 北東アジアの平和構築に向けた多国間協議の第一歩が始まった
~「日米中韓4カ国対話」公開フォーラム 報告~

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