本村:私は最近、若い頃はそんなに良いと思わなかった銀座の街並みに感じ入るようになりました。
モラスキー:銀座という街は、懐が深いですからね。
本村:落ち着いているし、やはり大人の街だと思います。慶應義塾大学は三田に校舎があり、比較的、富裕層の子弟がいますから、どうも若い時から銀座で遊んでいる人たちが多いようです。私は、中央線沿線で育ったせいか、飾りっ気のない居酒屋のほうが居心地がいいのえですが、最近は齢を重ね、懐も多少は余裕ができたので、「銀座も悪くないなあ」と思います。小粋でおしゃれな感じですが、どこか洗練されているようで、はじめての店に連れて行かれると、しばしば店の名刺をもらってくるようになりました。
モラスキー:料理屋や寿司屋などは安くはないけれど、それほど高くないバーや居酒屋もあります。東京は、ロンドンやパリなどと比べると大人の街が少ないですね。東京の街は若い人たちが支配していますから、東京で大人の街を探すには、ある程度若い人たちが行けないような店がある銀座や神楽坂になってしまうのです。
本村:日本の街は、どうしても若者が中心です。言葉は悪いですが、若者がのさばって、年寄は用無しといった印象を受けますが、少なくともヨーロッパでは、年寄りが卑しめられるような雰囲気はありません。
そうか、銀座か……
僕は東京には詳しくないのですが、東京の人には、よくわかる話なのでしょうか。
たしかに、「日本の街は、若者が中心」というのは、その通りだと思うのですけど。
というか、僕の場合、街にもほとんど出かけなくなったし。
最初に書いたように、それぞれの話題が細切れで、散漫になっている印象はありますし、「時代の流れは変えられない」と言いたくなるところはあるのですが、だからこそ、「失われつつある穴場の達人」たちの声に、今、耳を傾けておくべきなのかもしれません。

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