- 2017年10月27日 20:12
年収600万円未満の夫は専業主婦の妻に「好きの搾取」をしている?
2/2【4】できる女性ほどワンオペ夫を選んでしまうというジレンマ
●白河 そもそも、ワンオペさせられそうな男性を夫に選ばなければいいという議論もありますが、できる女性ほど、ワンオペ夫を選んでしまいがちなのですよね。そのあたりも解説しています。なぜ、できる女性はワンオペ夫を選びがちなのか……。
●是枝 恋人時代は、女性は仕事ができる男性に魅力を感じてしまいますからね。
●白河 日経DUALの対談でも明治大学教授の藤田結子先生が言っていますよね。「独身時代の魅力が結婚後はむかつきポイント」になると。
●是枝 年収1,000万円以上を稼ぐエリート男性であれば、仕事で最前線を走り続けるために、家事・育児にほとんどタッチしないという選択肢もありうると思います。ただ、その場合でも妻が一人で家事育児をするのは大変。夫が実際に家事・育児で手を動かすだけでなく、どのようにアウトソースするかを一緒に考えることでも家事・育児に関われるでしょう。
●白河 ただ、専業主婦自体が、じつはリスクも高いのです。二大リスクといえば、離婚と夫のリストラ、病気、年収ダウンなどがあります。エンジン2機で交代可能な形が今後は強いと思います。
昭和結婚では性別役割分業でしたが、その後、どういう分担が適切か明確にされないまま、夫がどんどん大黒柱機能を失い、妻は稼ぐ必要が多くなってきて、それでも夫大黒柱型の家事育児分担が続いている。だから今の人たちは、コスパが悪いとか、結婚にモヤモヤするのですよね。
● 是枝 冷静に考えると、夫が生活費を稼ぐ代わりに、家のことは全部妻がやってね、というのは割に合わないトレードですね。そんな中で、「逃げ恥」の終盤に提案されたのが「共同経営責任者」としての夫婦でした。「共同経営責任者」としての新しい夫婦のあり方については、白河さんが本でたくさん述べていますのでぜひ本を読んでいただければ。
●白河 共同経営責任者として、時代や状況にあわせて柔軟に変化していく結婚2.0を提案しています。
【5】昭和結婚ではまるごとオブラートに包まれていた「お金」「愛」「セックス」を紐解いた「ムズキュン」
●白河 お金だけでなく、昭和結婚では愛やセックスをどうするか?というのも、まるっと結婚という形でオブラートにくるんできました。それを紐解いて見せたのが「ムズキュン」でした。平匡さんが35歳童貞男子だったので、二人が恋愛関係になり、セックスに至るまでも大変丁寧に描かれている。つまり「性の同意」の原則ですね。今キャンパスレイプなどの防止に性行為の同意を教えるワークショップがハーバード大学などでも行われています。
●是枝 「逃げ恥」では、まず手をつなぐところから始め、ハグをして、と二人がスキンシップを深めるにあたって、「明確な同意」があったところも新鮮でしたね。キスだけは「明確な同意」なしに平匡からいきましたけれど。
●白河 「逃げ恥」ではほとんど、みくりの側から「同意の確認」がなされています。でも、20代男性は2人に1人が交際経験なし、30代童貞男子は4人に1人ですから、読者の未婚のみなさんが、こういったパターンになることは珍しくないでしょうね。
●是枝 カッコいい男性から「壁ドン」「顎クイ」など、グイグイ迫ってこられる少女マンガの描写にときめく女性もけっこういると思いますが、あれはファンタジーだからできることで、実際にやったら犯罪ですからね。
●白河 前に男子学生に聞いたら「イケメンに限る」といっていましたが、イケメンだって犯罪ですからね!
●是枝 結果的に訴えられないで済む場合があるだけであって、ダメなものはダメですね。
●白河 知人の女性たちが「いやよ、いやよはいやなんです」というキャンペーンをしています。
●是枝 ただ、これは女性側からアクションをとろうとしてこなかったことの裏返しでもあろうかと思います。相手から拒絶されるのは男性だって女性だって怖い。だからといって両方とも待っているだけじゃ何も始まらない。きちんと、相手のことを好きだと伝える。そのうえで、手をつなぐ、ハグする、キスする、セックスするなど、何かアクションを起こしたいときは、きちんと同意を取って関係を深めていくことを定着させるためには、男性も女性も努力する必要があると思います。
●白河 これから結婚を考える人にも、今後のパートナーシップのあり方をさまざまな形で示してくれた「逃げ恥」は最高のコンテンツでした。私たちの本も、未婚の方にも既婚の方にも使えるように書いています。既婚の方は自分の価値を知って、ぜひ新しい「恊働」や結婚2.0を模索してほしい。例えば共同経営者として毎週会議を開くとか、ヒントは「逃げ恥」にたくさんありました。またこの分担率をもとに夫とうまく交渉してほしい。交渉術の専門家の話などもとりあげています。
●是枝 結婚のなかに全部ひっくるめられていた要素を、きちんと「因数分解」していったのが「逃げ恥」の面白さでしたね。
●白河 二人で「共同経営責任者」になることはスケールメリットを生かすことと是枝さんが書いていますが、この形は別に男女でなくても、同性同士でも同じでしょうし、また、恋愛関係がなくても可能ではないかと思います。例えば、「恋愛関係のない同性の親友」などと一緒に暮らす形もあるし、シェアハウスだって、一種のスケールメリットですよね。「逃げ恥」は結婚の解体新書でしたね。「逃げ恥」から新しい形のパートナーシップが生まれるきっかけになったらうれしいですね。
※Yahoo!ニュースからの転載


