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TPPによる食のグローバル化

 昨夜の老人党護憲+の例会では、編集工房「朔」の主催者、三角忠さんを中心にしてTPPの問題点を話題にしました。いろいろな側面をもつ大問題ですが、私が理解できた話の本筋は、「アメリカ主導の食のグローバル化」が押し寄せてきているということでした。
 かつてはアメリカ主導の経済グローバル化が世界制覇しようとする過程で、巻き込まれた日本にもいろいろな変化が起こりました。小泉構造改革は、それに便乗する形で日本の社会構造を変形させ、今日の格差拡大社会を作り出してきました。その後を追い、仕上げとして登場してきたのが食のグローバル化です。
 たとえば今の日本では、大豆食品に「遺伝子組替え大豆を使用していません」と表示がありますが、これは自由貿易の障壁と見なされるかもしれません。アメリカでは、遺伝子組替え大豆を食用するのはすでに常識です。食品に含まれる化学薬品の安全基準も、牛肉のBSE対策も、日本の基準は厳しすぎて、アメリカが望むグローバル基準から「遅れている」のかもしれません。
 大赤字に悩むアメリカにとって、農産物は自信をもって輸出できる希望の星です。価格ばかりでなく、安全基準や品種特許までグローバル基準に合わせるのが望ましいのは言うまでもありません。個々の交渉でなく、包括的な自由の原則がほしいのは、そのためです。しかし、食のグローバル化を、経済グローバル化の一部分として素直に受け取っていいものでしょうか。
 北海道の「そりゃないよ獣医さん」も書いていましたが、食品は、工業製品とは性質が違います。たとえば自動車は、設計図と資材さえあれば、世界のどこでも同じものが作れます。消費者にとっても、自動車の性能は、どこの国で走らせても同じものが得られます。しかし食品は違うのです。
 食品は、それぞれの国の長い歴史の中で生産され、消費されてきました。気候風土に合った作物は、そこに住む人々の暮らしと密接に結びついているのです。食文化という言葉があるように、食べることは、その国の文明そのものです。食品の生産と消費のサイクルが成り立つことは、その国が自立して生きられる最低限必要な条件でもあります。
 TPPを急いでいるのはアメリカです。日本の「国益」を損なってまで加入する必要はないというのが私の結論です。

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